ブログ

●こんにちは。管理人の牛乃あゆみです。更新状況のお知らせ代わりに始めたブログですが、それ以外の話題が増えてきました。(笑)お知らせのほか、日々のアレコレ創作周辺の話題なども気ままに書いていきます。ゆるゆるとおつきあい下さいませ。

●過去の更新タイトル一覧はこちらでどうぞ。

●別にカテゴリ別ページも設けました。複数のタグがついている記事は各カテゴリに重複して出てきます。ちょっと錯綜しておりますが、ご了承下さい。


『ダンケルク』鑑賞といろいろの日

今日はちょうど仕事の納品を終えたタイミングで、見たかった『ダンケルク』をすべり込みで鑑賞してきました。

 

第二次大戦時、フランスのダンケルクの海岸に追い詰められた英軍兵士を、対岸のイギリスから民間船が協力して救出した、という逸話を映画化したもの。この出来事自体はドラマの『刑事フォイル』で初めて知りまして、以来興味がありました。その題材の映画化、これはぜひ見ておかなくちゃ!と思っていたのですが、仕事の他イベントが続いていたのもあり、なかなか時間がとれずとうとう最終日の鑑賞になってしまいました。でも行けてよかったです!(このへんの歴史はイアンの「領域」でもありますし!)偶然ですが、すこし前にご紹介した"Queers"で初々しいゲイのティーンエイジャーを演じていたフィン・ホワイトヘッド君も出ているというので、こちらも楽しみでした。メインキャラは複数ですが、ホワイトヘッドくんの役はその中でもメイン中のメインでありました。

 

ちょっと構成が変わっていて、映画はフランスからあの手この手でイギリスに帰ろうとする若い兵士 (これがホワイトヘッドくん)、イギリスから救出に向かう民間船(船長役が『ブリッジ・オブ・スパイ』マーク・ライランス)、同じくダンケルクに向かう戦闘機スピットファイア(パイロット役がトム・ハーディー)の三つのシーンが同時進行します。二次大戦映画のイギリス軍というと、レーダーや模型を使って戦況を大きく把握するシーンが良く出てくるイメージがあったんですが、今回はそういった全体像を解説するシーンが一切なく、台詞も少なく、ひたすら「現場」を見せていきます。爆撃や船の沈没などのシーンも、広い海岸を見せるシーンもいちおうありますが、そこで迫力を出すという感じでないんですね。題材から予想するよりもずっとパーソナルな印象で、大作戦争映画という感触ではありませんでした。「物語」という感じでもない。ひたすら現場、出来事を見せる、体感させる、という感じでした。

 

三つの「現場」で常に「どうなるんだ」というサスペンスがあり、うまく集中力が途切れないように引っ張っていきます。へんな言い方ですが、昨今インターネットの影響で1分の動画でも「長く感じる」ようになった観客を「飽きさせない」工夫って、こういうものなのかもしれないな……なんてことも思いました。緩急で言うと緩がなく、ほぼ急の連続なのです。ノンストップでゴリゴリ押していく感じで、最後も「生きて帰れてよかった」という大団円ではなく、これからまた別のところへ送られるんだろうな……という方を強く感じました。最後に出てくるチャーチルの言葉「We shall never surrender.(我々は決して降伏しない)」皮肉に響きます。うまい締めくくり方だなあ、と思いました。

 

ただ個人的に残念だったのは、協力した民間船の例として描かれるライランスの船がプレジャーボートだったこと。ないものねだりですが、できれば漁船と漁師で見たかったです~!(それ一番期待してたので!(^^;))

 

…今回はとにかく体験する映画で、情緒や心理はすごくシンプル。でも現実にはこういうものかもしれないな、とも思います。見た後は……ジェットコースターに乗った後のような酩酊感があったのですが、一方で映画としての感動というか印象が薄い、という感じはありました。言葉にしにくいというより、何か言いたい感じにならない。でもつまらないんじゃないんです。ただ、見た後「この映画について何かやみくもに語りたい~っ!」…という感じにならない。(書いてるけど(笑))たぶん臨場感がメインディッシュで、ある意味哲学というか、背骨を通る理屈の部分を感じないからかな……と思います。(チャーチルの著作もそんな感じで、生き生きと描かれてるけど妙な印象の「薄さ」も感じます)ここんとこ体調もイマイチなので、そのせいももしかしたらあるかもですが……でも過去に見たクリストファー・ノーラン監督の映画……プロフィールを見たら『インセプション』『プレステージ』『インソムニア』『メメント』…あたりは見ていたのですが……思い返すとみんなわりとそんな印象があります。凝ってるなーとか、よく考えてあるなーとかは感じるんですが、のめり込むって感じになった覚えがない。これは個人的な好みの問題かもしれません。

 

でも繰り返すようですがつまらなかったわけではまったくなくて。ミーハー目線では顔立ちの美しいフィン君は見ていて目の保養でしたし、ハリー・スタイルズはああしているとなんだか若い頃のルパート・グレイヴスみたいで、こちらも目の保養でした。他にジェームズ・ダーシー(❤)キリアン・マーフィーケネス・ブラナーなんかも出ていました。(ブラナーは将来チャーチルがやれそうなお顔になってきましたねー…)

 

最後にホワイトヘッド君が新聞で読んでいたチャーチルの演説は、ググってみたら英語版wikipediaやYoutubeにありました。やはり有名なスピーチなんですね。

Wikipedia: We shall fight on the beaches

 

 

ともあれおかげさまで自分に活も入ったので、イアン用の遠回しな資料(図書館借りして手元にほしくなった『第二次世界大戦の起源』)を帰りに買ってきました。がっつり今回のテーマではないですが、彼が詳しい領域の基本図書の1つだと思うので……これから図書館本から付箋を移そうと思います♪

著者はA. J. P. テイラー。大好きなE. H. カーせんせの著作でもチラチラと名前が出てくる方です。
文庫なのはありがたい❤ これで線も引き放題だー♪(笑)

 

10/20は他にもいろんなことがてんこ盛りの一日でした。まずはテッド・チャンさんのお誕生日。(『メッセージ』販売&レンタル開始しましたね。チャンさんの特典動画がブルーレイにしか入ってないので、今まで手を出さなかったブルーレイプレイヤーを買いました)皇后陛下もお誕生日だったそうですね。

 

そしてフランスの女優ダニエル・ダリューが亡くなったそうで。21世紀になっても出演作があったことをさっき知りました。個人的には記憶がいきなりジェラール・フィリップ『赤と黒』くらいに飛んでしまうので、失礼ながらご存命とはまったく思っていませんでした。100才でいらしたそうですね。フィリップはかなりの早世ですし、そう思うと彼の生きていた時間と地続きなんだなあ(?)……と、妙な感慨があります。

 

 

個人的なほうでは、今日は映画に行く前に『ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~』が到着して、一気に読みました。先日新聞で知った漫画で、F先生のアシスタントをなさっていた漫画家のむぎわらしんたろうさんが、先生の思い出をお描きになったもの。中には写真などの資料や、先生がむぎわらさんに書いたアドバイスなどもそのままの文字で載っています。

「漫画は一作一作初心にかえって苦しんだり悩んだりしながら書くものです」

という一文など、深いところに刺さりました。漫画に限らないお話として、いつでも思い出したいお言葉です……。

亡くなる直前までお仕事をなさっていた、というお話は以前読んだことがあったのですが、改めて読むと泣けてしまいます。……じつはF先生は昔から大好きでした。でもファンとしてはヨコシマというか(?)、藤子A先生が書いた回想記『二人で少年漫画ばかり描いてきた』からファンになったので、半分ご本人のファンです。(うちにあるのは文庫のこちらのバージョンですが、新バージョンで今も流通しているのは嬉しい❤)作品では、評価が高いシリアスなSF短編よりも明るいほうが好きで、一番好きなのは『21エモン』です。(そうたくさん読んでるわけでもないですけど……) …こちらはまた語りだすと長い話になっちゃうので、いつか機会があったら改めて。

今回のこの本、F先生ファンの方には心からおすすめです。

 

…ふう、ブログ3~4回分くらいネタがてんこ盛りの一日でした~。(笑)

賞味期限の切れた「世紀末」/「カッシーニ」と『交霊航路』の思い出

昨夜は土星探査機カッシーニがお役目を終え、土星に落下して燃え尽きるのだというニュースがありました。ここで公開している改訂版『交霊航路』でもほんの一瞬助演(?)していただいてるので、「ええっ、あのカッシーニさんが……」と妙な感慨があり、お見送りをしようとYouTubeで管制室のライブ配信を視聴しました。ネットはありがたいもんですね☆ (贔屓俳優ジョナサン・アリスさんが『オデッセイ』で管制責任者をやってから、「NASAの管制室」自体が萌え対象にもなっております!(笑))もちろん映像は管制室で、リアルのカッシーニの映像が見られたわけではないんですが、拍手の起こった瞬間を目撃できました。二十年間おつかれさまでした!

 

NASAの公式サイトには特設ページもできています。「グランド・ファイナル」ってかっこいいですね……。

Cassini: The Grand Final

 

「カッシーニ」がこの世からいなくなることへの感慨は、ちょっと妙な角度からでもあります。ご存知の方も多いと思いますが、じつは二十世紀の「世紀末予言」に関するトピックの1つでもありました。

 

昭和の大ブームになった「ノストラダムスの大予言」にある

「1999年、7の月、空から恐怖の大王が降ってくる……」 

という部分の「恐怖の大王」、これの候補のひとつがカッシーニだったんです。

 カッシーニの打ち上げは1997年ですが、原子力電池を積んでいて、1999年の夏に地球をスイングバイ(天体の重力などを利用してスピードや軌道を変えること)するというスケジュールでした。「恐怖の大王」説は、そのスイングバイのときにカッシーニが地球に落下し、放射性物質がまき散らされて壊滅的な被害が……という説でした。いろいろツッコミどころはあるとは思いますが、世紀末ブームの中で「原子力なんたら」が「空から落ちてくる」と聞けば、想像を膨らますには充分だったと思います。

 

…というわけで、自作では申し訳なくもそのへんのイメージで使わせていただいたのですが、それももう「今はなき土星探査機」の話になっちゃったんですね……。その他いろいろ「世紀末っぽいネタ」をいれたのをなんとなく思い出したのですが、今高校生の方がすでに21世紀生まれだと考えると、このへんもだんだん注記がいるようになるなーと……「2000年問題」も今ではピンとこないですね。もはやレトロネタかもです。(笑)

 

…いちおう書きますと、2000年問題というのは、西暦表示で19●●年の「19」の部分を省いて二桁で表示する形式がよく使われていたので、1999年から2000年になるときに99→00となってしまい、コンピューターが狂うのでは……という問題でした。個人的には「わかってるならコンピューター会社が手を打ってくれるだろう」とのんきに構えていましたし、特に問題も聞かなかったように記憶していますが、もともと「1999年で世界は……」という説がいろいろ流行っていたので、「説得力」を感じる土壌はあったように思います。

 

1999年が過ぎると、マヤの暦がそこで終わっているという2012年がブームになって、たしか映画もありましたね。(これは見てない気がする)。なんのかんの言っても、終末予言ネタはちょっと心惹かれるものなのかもしれません。そのほかにも惑星直列とかグランドクロスとか(前者は太陽系の惑星が一直線に並ぶので重力の異変などが起こる、後者は同様に惑星が十字架型に並ぶので何かが起こる……とささやかれていた説。残念ながら(?)何もありませんでした(笑))……ちょっと怖いけど壮大でワクワクする、「世紀末」っぽいネタっていろいろブームがありましたね。今思うと楽しかったなあ……。(笑)そして時事ネタはどんどん歴史トリビアになっていくのだなあ……と、今回カッシーニさんを見送りながらしみじみ感じたのでした。

 

(ところで、今回「世紀末」と打とうとするたびに「聖飢魔Ⅱ」と先に出ました。たしかに元信者なんですが、そ、そうなってるの?うちの辞書?(^^;))

 


[作品について]

『交霊航路』は10年ほど前に同人誌で出した小説で、SFとホームズパスティーシュ風の趣向が混じり合ったごった煮作品です。初めて小説で長めのオリジナルを書いたのがこれで、少数ながら好意的なフィードバックをいただけて、文章作品を書く励みになった思い出深い作品でした。その後某小説大賞応募のために改稿し、一次選考通過で講評をいただくことができました。(ホームズネタも特に予備知識はいらない書き方を心がけたつもりでしたが、やはりこの部分が一般向けにはちょっと……とご指摘いただきました。内心覚悟もありましたので納得です。(^^;)でもご講評はとても参考になりました)

 

その後また少し手をいれ、昨年からサイト内のライブラリーで全編無料公開しております。ご閲覧くださった皆様、ありがとうございます。カッシーニや2000年問題は改稿時に時代感を出そうと入れたので、昔同人誌でお読みいただいた方はご記憶にないと思います。(入れていたとしても忘れるくらいの扱いですが(^^;))その他も特に後半はディテールをかなり書き足しているので、よかったら昔お読みいただいた方にもご覧いただけたら嬉しいです。

Queers:モノローグで辿る英国のゲイの一世紀

イギリスで男性の同性愛行為が「違法でなくなった」のは1967年のこと。今年はそれから50周年にあたります。この夏にBBCがそれを記念し、"Gay Britania"という企画を展開していました。それに関連して出たのが、ご紹介する"Queers: Eight Monologues"マーク・ゲイティスさん(海外ドラマ『SHERLOCK』制作・脚本・マイクロフト役)が、Twitterでサイン本の宣伝をしていて知りました。Gay Britaniaの一環で放映された独白劇シリーズをまとめた戯曲集で、ゲイティス氏は全体のキュレーションと一本目の執筆を担当しています。

 

 

ゲイティス氏自身オープンなゲイであり、パートナーのイアン・ハラードさんとシビル・パートナーシップ(同性カップルに結婚に準じた権利を認めるイギリスの制度)の関係を結んでから10年近くになるそうで、LGBT関連の運動にもよく参加しておられます。むしろ推進役の一人と言ったほうがいいかもしれません。 

 

…ゲイティス氏のファンでもあり、自分の作品中でも及ばずながらイギリスのゲイのキャラクターを書いているので、このへんのリサーチはライフワーク化しているところ。これは一石二鳥であります。さっそくkindle版無料サンプルをダウンロード。サンプルはゲイティス氏によるイントロダクションだけでしたが、ご自身の少年時代の思い出から今回の企画の意図、八本のエピソードの紹介……と引き込まれてしまい、そのままコミティア会場からkindle版を購入しました。(当日店番しながらサンプルを読んでいました(笑))衝動買いでしたが後悔なしです!(^^)

 

イントロダクションによると――

 

この一世紀のイギリスを舞台にLGBT+の歴史全体を描こう、とは思わなかった

それよりずっとやりたかったことは、ゲイの男性の経験を詳しく掘り下げることだ」

(以下引用部は拙訳)

 

 ――とのこと。そんなわけで一つ一つのエピソードでは、節目になる年に居合わせた個人の体験が語られます。それぞれ約20分の独白劇=一人芝居が全部で八本で、同じキャストで舞台でも上演されたそうです。キャストのうち、少なくとも自分が確認している四人――ベン・ウィショーアラン・カミングイアン・ゲルダー、ラッセル・トーヴィー――は、実生活でもオープンなゲイの俳優さんです。

 

順不同で三本読んだところなんですが、資料という言い訳(?)を忘れて引き込まれています。うちの本をお読みくださっている方にはたぶん琴線に触れる内容だと思うので、少しご紹介してみたいと思います。

 

購入したkindle版"Queers: Eight Monologues"。表紙はベン・ウィショー、アラン・カミング、フィン・ホワイトヘッドら8人の出演者さんたち。Paperwhiteなのでモノクロなのがちと残念。
購入したkindle版"Queers: Eight Monologues"。表紙はベン・ウィショー、アラン・カミング、フィン・ホワイトヘッドら8人の出演者さんたち。Paperwhiteなのでモノクロなのがちと残念。

各エピソードの設定年代とタイトルは以下の通りで、ちょうど100年間です。(本は年代順の掲載ですが、放映の順番は少し違うようです)

 

1. (1917) The man on the platform

2. (1929) The perfect gentleman

3. (1941) Safest spot in town

4. (1957) Missing Alice

5. (1967) I miss the war

6. (1987) More anger

7. (1994) A grand day out

8. (2016) Something borrowed

 

読み終えたのは一本目、七本目、八本目で、最後の八本目では一番最初のエピソードをふっと思い出す仕掛けもありました。

 

一本目の"The man on the platform"(プラットフォームにいた男)は、第一次世界大戦から帰還した兵士の切ない回想。主人公は戦地で担架運びをしていましたが、上官との間に淡い交流があり……この淡さが、この時代のリアルな空気なのでしょう。でもそれゆえに、読み終えた中では一番「JUNE」らしい余韻を感じた一本でした。

 

演じたのは『007』シリーズのQなどで大人気のベン・ウィショー。前述の通りマーク・ゲイティス作の一本なのですが、この人はほんとに、良い意味でセンチメンタルなお膳立てを作るのがうまいなあ……とつくづく思います。ウィショーさんもセンチメンタルな表現でテンションを高めるのがすごく上手い俳優さんなので、鬼に金棒。さりげない内容なのにうるっときました。中で作家のオスカー・ワイルド(1854-1900)が話題になりますが、イントロダクションでゲイティス氏はこう語っています。

 

「ワイルドはこのモノローグに絶好のスタート地点だと思った。

しかし(物語は)この100年間の内に収めたかった。

じゃあ仮に、オスカー・ワイルドにまつわる記憶を持つ

誰かの視点をとったらどうだろう?
ひょっとしてその人物は、
ワイルドがレディング監獄に連行された恥辱の日に、
プラットフォームにいたんじゃないか?」

 

それで作品はワイルドそのものの物語ではなく、主人公が子供の頃に駅で「連行されるワイルド」を見かける、という扱いになっていました。そのときワイルドと目が合った主人公は、「自分が何者か」を見透かされた気持ちになります。

 

1885年に「ラブ―シェア修正条項」が成立してから同性愛行為は違法となり、オスカー・ワイルドはその罪で有罪となって収監されました。ゲイティス氏はイントロダクションでこの条項を「脅迫許可証」と書いています。たしかに、「金持ちの男性と同性愛関係を結んで後でゆする」という行為にお墨付きを与えたようなものですね。この時代の同性愛を題材にした作品では、この手の脅迫がよく触れられますね。

 

タイトルになっている「プラットフォームにいた男」は、この時のワイルドでもあり、最後にもう一度、泣けるシーンがあって二重の意味を持ちます。…イントロダクションでは、ワイルドの恋人だったアルフレッド・ダグラスが詩の中で同性愛を指した「その名を口にしえぬ愛」(the love that dare not speak its name)を踏まえて、「その名を口にされかけた愛」(a love that almost spoke its name)と表現されています。ラストのなりゆきは切なくて素敵ですが、いつか日本で放映されることを願って、詳細に書くのは控えておきます。

 

(たぶん非公式の露出なのでおおっぴらにはおすすめできませんが、映像はYouTubeで見ることができました。独白劇なので全部台詞で理解するしかなく、自分は聴き取るのは無理なので(^^;)、本で辞書を引きまくれて助かりました。余韻のあるラストになっていました)

 

次に読んだ七本目の"A grand day out"(大いなる小旅行)は、同性愛行為を合法とする年齢が21歳から18歳に引き下げられた、1994年のお話。この変更の審議と議会での投票が行われた時、おおぜいのゲイが議会に押し掛けたそうで、そのデモに参加した地方出身の17歳の少年の独白です。来る気はなかったけど、その日の朝に新聞にデレク・ジャーマンの訃報が載っていて……と、「行かなくちゃ」と衝動に駆られてからの体験を語ります。ジャーマンはエイズで亡くなった映画監督で、当時日本でもこの方の一連の映画のちょっとしたブームがありました。じつは、「Queer」(クイア:「奇妙な、いかがわしい」。俗語で同性愛者を軽蔑的に指す)という言葉を強烈にインプットしたのが、ジャーマンの映画『エドワードⅡ』の同名のムックだったという個人的な思い出があります。ジャーマンの名前が出てきて、その周辺のぼやけた記憶が掘り返される思いがしました。

 

初々しい主人公を演じるのはフィン・ホワイトヘッド。明日公開になる『ダンケルク』のメインキャストの一人です。

 

次に読んだのは、八本目にして全体の締めになる"Something borrowed"(借り物)。時代は2016年で、パブを会場に同性結婚のつつましい披露宴を控えた新郎の独白です。これまでのいじめなどの体験と、「夫」になる人との出会い、母への思い、その他もろもろの思い出や未来に向けた希望、警句などをチャーミングに語ります。演じるのはアラン・カミング。個人的には初めて名前を意識したのが『プランケット・アンド・マクレーン』でのおネエっぽい貴族役だったので、ずっと自然に「そういう」イメージでした。最近では『チョコレート・ドーナツ』でフェミニンなゲイ役を直球でやっていましたね。(『チョコレート…』は映画としてはちょっと残念な部分も感じましたが、逆にその理由を考えたことが勉強になり、カミングのみごとな歌唱力には素直に驚いた一本でありました)

 

そしてここでもオスカー・ワイルドが引用されます。主人公曰く、「ゲイの結婚にオスカー・ワイルドの引用は欠かせない」――しかも、「かつて介護施設で本を朗読してあげた盲目の老人」から聞いた言葉であり、その老人はワイルドを見たことがある、というので――年齢を考えると同一人物の可能性は低いですが、最初の一本が思い出され、百年の時の流れが目の前に立ち上がるような感覚がありました。

 

…というわけで、キャストも劇場映画主演クラスの方たちが参加してますし、日本でも見られたらいいなあと思うのですが……ちょっと細かい解説が必要な内容ではあるし、あくまで「イギリスでの」ゲイの歴史であり、日本ではまったく状況が違い、フィクションではあるものの史実の俯瞰と記念の要素が大きいので、日本でのテレビ放映はちょっと難しいかなあ、とも思います。でも、それこそNHKあたりでその手のドキュメンタリーと抱き合わせにすれば、いい企画になるんじゃないかとは思うんですけど……いや、自分が字幕付きで見たいだけなんですが。(笑)

 

 

*      *      *

 

 

 私事になりますが、じつは1967年は自分の生まれた年でもあります。なので、この年に「犯罪でなくなった」ことを知ったときは、ちょっと不思議な縁を感じました。「えっ、わりと最近のことなんだ」という驚きもありました。50年と言うとかなり昔に感じますけど、厚かましくも16くらいから感覚が変わってない(笑)身としては、「自分が生まれた年」とい言い換えると充分「最近」なんですよね。とはいえ自分は女性のヘテロですし、目線はあくまで腐女子という「外側」からのものでしかないと思います。でもその立場から「鑑賞」を超えて「共感」できるものも感じるんです。(「女性として」というとかなり重い話になるので、ここでは「腐女子」のほうを念頭におきます)

 

…たとえば、最後のエピソードで同性結婚の披露宴を控えた主人公がこんな言葉を口にします。

 

勝利のなかでも、人は何かを失うわ。反逆者、破壊分子、アウトローだって感覚を。

 

外野なのに恐縮ですが、これ、なんとなくわれわれ腐女子の状況にも当てはまる気がしました。同性愛が受け入れられていくにつれて「禁断の」という切り口は成立しなくなり、BL的表現もありふれて特別なものはなくなっていくこと。日陰の花を隠れて愛でるような感覚や、独特の緊張感のある美的感覚が薄れていくこと。いい悪いは別にして――というか、美的な問題としてはいいも悪いもないし、当事者の方たちとはまるで違う切り口で見ていることは承知の上で書きますが――皮肉にも「失う感覚」があることは重なるなあ……と思いました。

 

でもそうやってフィクションの題材として見る場合は、立脚点や時代設定を変えることで違うものを表現することは可能なわけです。「解釈」は「現在」の影響を受けて微妙に変わっていくとしても、JUNE/BL表現の選択肢は広がったのかもしれません。あるいは垣根がなくなっていき、ジャンルの境界がますますあいまいになっていくのかもしれませんが。個人的には特化したBLより境界的アプローチが好きなので、そういう流れは歓迎しています。

 

…うちの本をお読みいただいている方はお気づきかもしれませんが、現在kindleで配信中の小説はすべて、イギリス人のキャラクターを主人公として、男性同性愛がなんらかの形で絡むものです。(「ほとんど」だと思っていましたが「すべて」だと今気づきました!(^^;))必然的に、Queersで触れられているトピックをいくつか取り込んできました。そして意識したわけではないのですが、リリース時期を下るにつれて時代設定が現在に近づいてきました。(違法時代の『追憶のシャーロック・ホームズ』から始まり、同じ19世紀の『王殺し』、1970年代の『脳人形の館』と来て、現行のイアンシリーズは現代です)このタイミングで手に入ったこの本は宝物です。大いに学びたいところでアリマス。

 

これから読もうと思っているのは五本目の"I miss the war"(あの戦いが恋しい)。主人公は60代のゲイの男性で、時代設定は1967年。イントロダクションによると、合法化を必ずしもすべてのゲイが歓迎したわけではなかった、という切り口のお話だそうです。これはゲイティス兄――私より8ヶ月「お兄さん」です――がロンドンに出てきた当初にゲイ・パーティーで出会った人をヒントにしているそうです。

 

Queers: Eight Monologues (NHB Modern Plays) 

 (上記リンク先はkindle版。商品ページのペーパーバックへのリンクがなぜか別の本になっているので、
ペーパーバックのページにもリンクしておきます。→Paperback版

 

表紙左下のラッセル・トーヴィーさんは、SHERLOCKシーズン2の『バスカヴィルの犬』で
ヘンリー・ナイト役をやっていました。今回は六本目の"More anger"を演じてらっしゃいます。

 

ササヤカな夏休み/古本話とコミティアの予定

巷はお盆休み。特に出かける予定もないので、半分翻訳仕事、半分自分の原稿、といつも通りな土曜日です。

 

今日はあまり暑くなかったので、仕事をしていた喫茶店から夕方足を伸ばしてブックオフへ。今やってることとはまるで関係ない掘り出し物を三冊ほどゲットしてきました。すべて108円で締めて324円ナリ。

 

ここはちょくちょく行くブックオフで国道沿いにあるのですが、最近そこへ行くいい感じの別ルートを開拓しました。国道と付かず離れずながら緑が多い、川沿いの道です。

 

地区センターの小さな子供プールが賑わってたり、散歩している人もちらほらいたりで夏休み感満点。そこをアイスを食べながらのんびり歩いて帰り、トータル一時間ほどの夏休み気分を味わってきました。(…あんまりふだんと変わらないような?(笑))

 

写真が本日の掘り出し物。特に嬉しかったのは真ん中の『世界怪奇実話集』です。これは社会思想社さんという、今はなくなっている出版社の「現代教養文庫」というシリーズで、この文庫好きなんです♪

 

リアルタイムにもいくつか買っていたんですが、最近は古書で見つけるとちょこちょこ買っています。今回のは怪談系かと思いきや、「洋上の幽霊」という章になぜかバミューダ・トライアングルの話も入ってたり。時代感もあって、目次を見るだけでワクワクします。(笑)

 

今回のようなミステリアスというか超常現象系というか、そういう小話集(?)が「ワールド・グレーティスト・シリーズ」というシリーズになってるんですよね……なんて素敵なシリーズ名!(笑)以前同シリーズの『未解決事件19の謎』というのを買ったんですが、短い実話がいくつも入ってるので、寝る前とか合間とかにちらっと読むにはうってつけなんです。今回のは1つ1つが短そうなので、これまた重宝しそうです♪

 

『芥川龍之介の世界』はなんとなく手に取り、芥川龍之介は好きなので買ってきました。生涯が書かれた評伝のようです。

『孤独なスキーヤー』は、以前ここでいくつか作品をご紹介したハモンド・イネスの本です。これも冒険小説で、あらすじを見たら――「第二次大戦直後のロンドン、復員兵のブレアは、映画監督になった元上官と偶然再会」。アルプスのとある山荘にシナリオライターとして行って出入りする人物を見張ってほしいと頼まれ、しかもその山荘はナチ戦犯がらみ――なんだか面白そうです! アレコレの合間に少しずつ楽しもうと思います❤

 

*      *      *

 

さて、来週8/20は同人誌イベントに出展します。新刊は気軽な洋画レビュー集コピー誌の予定ですが、イアンシリーズの紙版を含め、オリジナル系の同人誌をメインに持参します。恒例のイアンシリーズ短編2種コピー誌無料配布も予定しております。今回の配置はわりと入口に近くてわかりやすい場所なので、おついでがありましたらぜひお立ち寄りください。

 

コミティア

配置ナンバー: う01a 

サークル名: SUSSANSAP(サッサンラップ)

 

現在、レビュー本の特集記事で『メッセージ』の原稿を書いております。原作者テッド・チャンの大ファンなので、主に映画化にあたって変更・工夫された箇所について掘り下げています。(入れたいものが多くてちょっと困ってます。間に合うといいんですが(^^;))

 

*      *      *

 

というわけで、このところイアンシリーズの次作の準備は中断していますが、これがひと段落したらまた戻ります。(待っててねイアン❤)

 

…夏休みに入ってから、『追憶のシャーロック・ホームズ』を中心にご購読が少し増えていて、嬉しく思っています。ありがとうございます。涼しいところで冷たいものでも飲みながら、のんびり楽しんでいただけたら幸いです。

家族とは/『キッド――僕と彼氏はいかにして赤ちゃんを授かったか』感想

アメリカのゲイのカップルが養子縁組をするまでのノンフィクション。コミカルなタイトルが表す通り、中の文章もかなりコミカル(でシニカル)。シリアスなネタも下ネタも、カジュアルにツルツル読める文章です。遅読な私が二日で読んでしまいました!(笑)

 

読んだきっかけはもちろんゲイのカップルについてのリサーチだったんですが、それ以上に「なぜ子供がほしいのか?」も興味がありました。自分自身にそういう願望がまったくないこともあって、ゲイのカップルが「わざわざ」子供をほしがるという心理が知りたかったんです。

ゲイのノンフィクション本のオファーがあり、売れる題材を考えていてコレだと思ったとも書かれているんですが、もちろんそれは冗談。本の企画を考える前から、もっと言えばここで出てくる「彼氏」とつきあい始める前から、この筆者はゲイとして子供を持つための画策(レズビアンの女性と組んで子供を持つ計画など)をあれこれしています。その理由はいろいろ書かれていますが、どこまでが本気なのか、冗談なのかわからない。もしかしたら、「なぜほしいのか」はほしい人にとってむしろ自然なことで、説明しようがないのかもしれないな、と思いました。自分も別のことで「なぜ?」と言われたら説明できないけど欠かせない、というものはありますもん。

 

本の中では、子供をほしがっているヘテロのカップルとの違いが浮き彫りになるところがあり、これもなるほどそういうものか、と思いました。ヘテロの夫婦が養子を求めるまでには、不妊治療など長く苦労を重ねているので、「これが最後の望み」という感じなんですね。それに引き替えゲイのカップルは「不妊」であることが前提……この辺も改めて考えたことがなかったことでした。

 

一方で、なぜ子供をほしがるのかまったく理解できないという女性もいたり、中絶についての白熱した議論をゲイの男性同士がしていたり……というところも出てきて、いろいろ視野が広がりました。特に後者については、自分が絶対に当事者とはならない人たちが議論しているのを、女性たちは距離をとって関わらないようにしていた、という描写があって妙に印象的でした。当事者でないところで議論が白熱する、というのはいろんなところである構図かもしれないなあ……なんて思いました。

 

このカップルが申し込んだ養子縁組はちょっと変わっていて、「オープン・アダプション」というもの。生みの母親が養子を希望するカップルのなかから子供を託すカップルを選び、面談などを重ねて双方同意したら生まれた子供を渡し、その後も定期的に子供に会ったり、成長の様子を報告してもらったりしていくものだそうで、子供も自分の生みの親を知ったうえで育ての親と一緒に暮らしていく、というシステムだそうです。従来方の養子縁組は、子供には養子であることや生みの親を知らせず、大人になってからそれを悩んだり、生みの親を探したり……という話を聞くような気がしますが(もっとも自分が知っているのは映画などに出てきたケースなんですが)、オープン・アダプションは「家族の定義そのもの」が拡大している感じがして、これまた興味深かったです。

 

子供を養子に出す側、というのも想像ができていなかったところで……若くして予定外に未婚の母になってしまって育てられないとか、そういう(自分の目には)「別の問題」だと映っていたことがダイレクトにつながっているのでした。これも読むまで意識できなかったことでした。今回の本に出てくる生みの母親はまたちょっと特殊なライフスタイル(ガター・パンクというそう)で、放浪するので連絡をとることさえひと苦労です。彼女はゲイのカップルを育ての親に選んだ理由を、嘘っぽくなかったからだと言います。この本を書いた「僕」と「彼氏」以外の養子縁組希望カップルはすべて中流の白人夫婦だったそうで、逆に言うとそういう人たちを「嘘っぽい」と感じてるんですね。ちょっとわかる気がする。スゴク愛想のない子なんですけど、その辺も興味深かったです。

 

この本を書いたダン・サヴェージはセックスお悩み相談コラムで売れているライターさんということなので、文章のトーンがコミカルなのはそのへんの「芸風」なのでしょう。かなりシリアスな問題がたくさん出てくるんですけど、おかげで読みやすくなっています。

 

この本の原著は1999年の本で、状況はその後かなり変わってきていると思います。アメリカでは同性婚も合法になりましたしね。このカップルと子供のその後は『誓います――結婚できない僕と彼氏が学んだ結婚の意味』という本で語られてるそうなので、そちらも読んでみたいです。

横浜古書店散歩とポケミスの「ホモセクシュアル探偵」ブランドステッター・シリーズ

(先日古書店散歩したときの記録にリンク等を加えたものです)

 

2017/06/06 15:43

馬車道のカフェでポメラで書いています。今日はぽかっと時間が空いたので、ちょっと前から気になっていた黄金町(こがねちょう)~伊勢佐木町(いせざきちょう)界隈の古書店散策に来ました。このあたりは以前は映画館がたくさんあって、古書店もついでによく回ってたんですが、ネットで調べたら知らなかった店もあったのでいつか行ってみようと思っていました。ちょうど曇って涼しくなり、歩き回るには最適です。(文末に地図も載せときますね)

 

さて、今回はほしい本がありました。それが最近読み出したポケミスのブランドステッター・シリーズ。残念ながら邦訳は絶版で古書を探すしかないのですが、デイヴ・ブランドステッターという保険調査員が主人公の「ホモセクシュアル探偵」シリーズです。知った経緯はまったく別の方向で、今はまっているレトロ狙い(60~70年代あたり)とイアンシリーズの遠回しな資料漁りで、同じポケミスの『冷戦交換ゲーム』というのを図書館で借りて読んだとき、巻末の既刊紹介に「話題のホモ探偵」とかいう(うろ覚えですが)紹介文を見つけたのです。『冷戦交換ゲーム』は今も刊行中ですが、図書館の本は初版でだいぶ古く、当時たぶん「ゲイ」という言い方は一般的でなかったからこういう表現なんだろうな……と思ったんですが、のちに作者がゲイという言葉が嫌いだったと判明。

 

で、読んでみたらとても好みで。主人公のデイヴはすでに四十代なかば。今で言うオープンなゲイですが、原書の刊行は1970年で、デイヴは第二次世界大戦に従軍していた世代です。私生活のあれこれ――長年暮らしていた恋人との死別、新しい恋人とのうまくいかない関係など――が調査の合間に描写され、かつ扱う事件にも同性愛者が絡むのですが、ことさらセクシーなシーンは強調されていない印象です(今のところ)。むしろヘテロ男性が主人公の探偵小説で描かれる女性絡みのシーンよりあっさりしてるくらい。デイヴは「大人」で落ち着いていて物言いがそっけなく、容姿はあまり描写されませんが、「エレガントな」瘦せ型だそう。かっこいいです。地の文はデイヴの観察眼の反映なのか「目に見えるもの」をすごく細かく描写していて、ジャンルとしては「ハードボイルド」なんだそうです。詳しくないので「これがそういうものなのか」と思いました。

 

この「主人公が同性愛者であることがごく自然に描かれている」ところが自分のやりたい方向と合っていて、すごく興味をそそられましたし、読みやすくもありました。(イアンシリーズはBLとブランドステッターの中間くらいでいけたら理想です)しかし「主人公がオープンなゲイで中年のハードボイルド探偵小説」。そういうものがすでに70年代に書かれていたんですね。自分にとってはちょっとした発見でした。でもその後、アマゾンでこのシリーズを検索したら、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に翻訳もののBL・MM小説が並んでいて、ああ、この系統が好きな人には定番だったのね……と遅ればせながら知ったしだいです。

 

まだ読了したのは2冊だけですが、シリーズは全12冊。最初に読んだのは邦訳では一冊目の『死はつぐないを求める』でした。保険調査員なので生命保険の支払い請求に応じて死因を調べに行きます。(これは毎回このパターンらしい)このときデイヴと一緒に暮らしている相手とは、互いに前の恋人と死別していて、その面影を相手に見ているところからギクシャクしてくるんですね。原題の『Death Claims』は保険会社の「死因調査部」の意味もあるそうで、内容に照らすと直訳の「死は求める/死が当然のものとして所有権を主張する」から、邦題のイメージ――「死んだ恋人」の存在感ゆえの苦悩――と、デイヴの仕事である死因調査の掛詞になっています。メインストーリーは仕事の事故・事件の調査のほうですが、やはりキャラの心情は裏のメインディッシュですよね。すごく繊細な感覚があっさりと描かれていて好みなんですが、そのわりにどうも過去の説明がはしょられすぎだなあ……という印象がありました。調べてみたら、じつはこの作品は原書ではシリーズ二冊目なのでした。で、それを読み終わりかけてた時に黄金町近辺の古書店(『サラエヴォの銃声』を見に行ったあとに見つけた川崎書店さん)でこの作品を含むシリーズ三冊を見つけ、次に一作目にあたる『闇に消える』を読みました。デイヴの過去がわかってより面白くなってきました。やはり順番通りに読むべきかもしれません。

 

そういうわけで、今日はこのシリーズ……できれば次に読みたい三作目の『トラブルメイカー』が見つかれば最高、という感じで来たんですが、なんと!今日見つかったのはこの『トラブルメイカー』のみでした! それも最初に行った紅葉堂長倉屋書店さんで見つけました。当初は存在も知らなくて行くリストに入っていなかったお店ですが、今朝「行って休みだったら泣くなー」と思って確認ついでに検索していて、近くにあったここをリストに加えたのでした。ただ、ポケミスが一つの棚丸ごと占領していたのは嬉しいんですが、配置がなぜか18禁エリアにかけられたカーテンの真ん前で、角度がついているので棚を見てると18禁エリアをカーテンの隙間からのぞくようなかっこうになるんですよ。実際に中が見えるし(^^;)。中におじさんがいてすごく気まずかったけど、がんばって棚の背表紙すべてに目を通した甲斐がありました。もう今日は呼ばれたとしか!(笑)ちらっと読んだところですが引き込まれてます♪

 

さて、これまで読んだ二冊の巻末解説によると、作者のジョゼフ・ハンセン(1923~2004)は妻帯者……というので、てっきりヘテロかと思っていました。でも英語版Wikiを見たら奥様はレズビアンだったそうで、「たまたま互いを愛したゲイの男と女」なんだそうです。(前述の通りご本人はゲイという言葉がきらいで、自分のことは「ホモセクシュアル」と言っていたそう)お子さんも授かっていらっしゃいますが、奥さんのほかに長い交際をした男性の恋人が二人いたとのこと。…なるほど、と思いました。作中で「ゲイの男性と結婚した女性」というのがごく自然に出てくるんです。それが別に偽装結婚ではなく、本気で愛してるんですね。だからこその葛藤も淡々と説得力がありました。ハンセンはハリウッドで最初のゲイ・プライドの計画にも協力したそうで、その方向でさまざまな活動をなさった方のようです。(ワシントンポストの訃報記事"Joseph Hansen; Created Gay Detective"参照)

 

そんなこんなで、久々に小説ではまれるものに出会ったので、良いモチベーションも得ました。もしイアンシリーズの商品ページにブランドステッター・シリーズが表示されてくれたらもう最高じゃないか、一緒に読んでいただけるくらいにがんばりたいなあ……なんて新たな目標に。(笑) とはいえ、邦訳のkihdle版は今のところないので、ちと見果てぬ夢です。でも好きなものにははびこってほしいので、kindle化希望ボタン押しときます!(紙の復刊よりはコストかからないはずだし!!)

 

 

一冊目の『闇に消える』にリンクしておきます。よかったら「kindle化リクエスト」に清き一票を。(笑)

 

…で、今日買った本は結局『トラブルメイカー』だけです。でも大満足。ぶっちゃけこのシリーズはアマゾンのマーケットプレイスでも手に入るんですが、たとえ1円でも送料入れると258円になっちゃうんですよね。この前見つけた三冊が100円だったもので(笑)、そのあたりで見つからないかなあ……と思ったのと、なんとなく「足で探したい」タイプの本なのです。すぐほしい、というのではなく、少しずつ見つけて読んでいきたいなあと。手に入れた本はかなり日焼けしてますが210円だったので、散歩全体が楽しかったことも考えたら電車賃入れても(笑)大満足でした。

 

*      *      *

 

もともと伊勢佐木町近辺は「レトロモダンで昭和感のある映画の街」として好きだったんですが、大きな映画館がなくなってからはあまり来なくなっていました。でも最近またジャック&ベティさんで時々映画も見るようになったし、これまでは神保町まで行かないと見られないと思っていた「古書店らしい古書店」が近場に複数あるとわかったので、ちょくちょく気晴らしに来たいなーと思います。休めるカフェもあるし、横浜駅周辺がごちゃごちゃしてるのに比べると、ずっと落ち着けて好きな街です。新しく工事をしている店をたくさん見かけたので、またどんどん変わっていくのかもしれないですね。レトロなところは残してほしいものです。

 

お土産に買ってきた花見煎餅。横浜名物の一つです。

  

 

*      *      *

 

 

以下のページを参考にさせていただきました。

 

伊勢佐木町には古書店が多いの?[はまれぽ.com]

 

 

この地図はもうなくなってるお店も入ってるかもしれません。

(私が見つけられなかっただけかもしれませんが……)

 

 

Google Map 「伊勢佐木町 古書店」検索結果

 一部「横浜関内周辺古書店」にないお店も出ています。

『第一次世界大戦はなぜ始まったのか』と『サラエヴォの銃声』

イアンものの肥やしに、相変わらずヨーロッパ近代史(現代史?)を漁っております。そんななかの拾いもの。本と映画のご紹介です。

 

『第一次世界大戦はなぜ始まったのか』

 

まずは『第一次世界世界大戦はなぜ始まったのか』。今の興味とドンピシャのタイトルなので購入しました。これ、買ったあとにアマゾンのレビューを見たら低評価が多めでびっくりしたんですけど、内容が悪いというより、「素材を素材のまんま印刷しちゃった」感じなんですね。なんというか、食べやすい大きさに切るとか、食欲が湧くように盛りつけるとかがされてない。レビューでも編集がやり玉に挙げられてますが、その通りだと思いました。

 

原稿執筆から体裁のデザイン・広告までやらねばならない一人出版社状態の身としては、文章を読みやすく整えるくらいは著者の仕事ではとも思えるのですが、著者がホームページに掲載していた文章をまとめたものらしい、とレビューで指摘されてるので……ここからは想像ですが、もしも「このコンテンツ、本にしませんか?」「いいですよ」程度のやりとりで突貫工事でできた本だとしたら――というのは、奥付を見ると第一次世界大戦100周年にばっちり合わせたタイミングで出ているんですよね――そのマーケティング的な都合で、結果双方がタッチしない、責任と責任の狭間の真空ゾーンができてしまったのだとしたら(こういうことは組織の仕事ではよくあるんですけど)、あまりにも素材が勿体ないし、著者に責任を問うのも酷ですよね。とにかくプレゼンテーション――盛り付け方って大事だな、と思いました。本もお料理と同じですね。

 

なんかへんな切り口から入ってしまいましたが、内容は今まで知らなかったことがいろいろ書いてあるし、レビューの一つで提案されてる通り、しっかり編集作業をしたら魅力的な本になったのではと思います。それと、面白い箇所がじつは話が飛んでるところなんです。いきなり帝国主義時代の日本との比較が挟まってたりするんですけど、そのへんのアナロジーこそがオリジナリティを感じるところだし、「へええ!」と「掴まれる」ところなので。ただ、通史として読もうとしているといきなり話題が変わるので面喰いますね。あと、固有名詞の説明が少ない。ここはやはり編集しだいでしょうね。

 

 

自分はレビューを読んである程度覚悟したのもあり、多少とっつきづらいのは仕方ない、と思って、電子辞書(ブリタニカ百科事典が入ってます!)と地図を傍らに置いて、一番興味のわくところから読み始めました。そうしたらわりと面白く読めてます。ただし、微妙に文脈がわかりにくいところも自分で脳内補完しながらです。

 

文章自体が読みにくいと感じるのは、文と文をつなぐ接続詞などが乏しくて文脈がとりにくいところがあるためです。これ、英文を直訳した感触と似ていて。…翻訳の参考にしている『英日実務翻訳の方法』(これはまたおすすめの本です!)に、英語を指して「文間が広い」という表現があるのですが、それとまさに同じことです。「………。というのは、………だからである」みたいに流れを示す言葉がほしいところで、それがない。「………。」の部分だけが連続している感じなんです。それで、文脈は自分で考えなければならない。ちなみに上記の翻訳教本では、日本語は「文間」が英語より狭い言語なので、その接続詞なり、文脈を示す表現なりを補完するのが和訳の重要な仕事として書かれています。なるほどと思います。

 

話が飛んじゃいました。(^^;)で、興味はもう開戦直前の「サラエボ事件」なので、いきなりそこから読みました。セルビア人の青年が、オーストリア皇太子を暗殺した事件です。一次大戦のきっかけとしてよく言及される事件ですが、この本で初めて詳細、特に犯人とそれに至る背景について知りました。教科書的な文章では「セルビア人青年」としか書かれないこの人物、当時まだ19歳で、名前はガブリロ・プリンチップといいます。陰で糸を引いたとされるのが「黒い手」という秘密結社。他に失敗した実行犯もいて、見届け役以外は未成年。捕まったときの極刑を避けるためだったらしいのですが、プリンチップは獄中で病死(あるいは拷問死)したそうです。で、ここから『サラエヴォの銃声』に興味がつながりました。

 

本自体はまだ読了していないのですが、サラエボ事件のところを読んだあと、結局は最初から――1848年のパリ二月革命から書き起こされてるんですが――読んでいます。やはり流れを知るには必要で、むしろここから始まるのは丁寧なんじゃないでしょうか。同じ著者の他の本は評価も高いですし、つくづく本としての仕上げがイマイチなのが惜しまれます。

著者は一時大戦をテーマにしたホームページを持っておられるので、リンクを貼っておきます。軍事史がご専門だそうです。

 

別宮暖朗さんのホームページ『第一次大戦』内・「このサイトの構成」
フロントページからはリンク切れが多いので、まずはこちらを。まだチラ見ですが、ほんとにすごい情報量です。

 

第一次大戦

フロントページはこちら。ひょっとして、リンク切れになってるページは本のコンテンツとして提供されたため非公開になってるのでしょうかねぇ……?

 

 

『サラエヴォの銃声』

こちらはテレビで知って、サラエボ事件の実行犯プリンチップ――映画での表記は「プリンツィプ」――が大きなモチーフとなっている映画ということで興味がわいて見に行きました。とはいえ、大戦時の時代ものではなく現代ものです。

 

舞台はサラエヴォ(ここから映画に表記を合わせますね)にある、第一次世界大戦100周年の記念式典が行われるホテル。ここの屋上で、テレビ用のインタビューの収録が行われています。歴史学者等が出てきてサラエヴォの歴史を総括してくれますが、この学者さんたちは俳優さんではなく本人として出ていたんじゃないかと思います。そして

「ガブリロ・プリンツィプはテロリストか、それとも英雄か?」

という命題が提起されます。そこへインタビューを受けに現れるのが、当のプリンツィプの子孫で同じ名前を持つ男性。インタビュアーの女性は民族的出自等で彼とは対立する立場にあり、激しい口論が展開されます。

 

一方、同じホテルの中では別のドラマが同時進行します。このホテルは記念式典の要人を迎える場所ですが、じつは経営は傾いていて、従業員は二ヶ月も給料を受け取っていません。そして式典当日にぶち当ててのストライキが計画されます。自分も給料はもらっていないと説得したり圧力をかけたりする支配人、美しい受付主任嬢、彼女に惚れている厨房の男性、彼女の母であるクリーニングのおばさん、そして地下の怪しげなクラブを仕切るやくざ者、ホテルに宿泊するフランスのセレブ――さまざまな人物のドラマがつながっていきます。

 

でも、自分が一番惹かれたのは、先ほど書いた「ガブリロ・プリンツィプ」とインタビュアーの女性のスリリングな関係の変化でした。口論の末、ずっとあとになって、ガブリロがインタビュアーの女性に「プリンツィプはテロリストか、それとも英雄か」の質問を改めてすると、彼女は二者択一から離れてこんなことを言います。彼は理想に燃えた青年だった、と。

 

利害や信条で自分と対立する人物に対して、みんながこういう視点を持てたらどんなにいいでしょう。…しかし、これで二人が歩み寄るかと思いきや、ことはそう簡単には運びません。そしてラストは……もちろんここには書けませんが、子孫である男性が「ガブリロ・プリンツィプ」という名前を持つこと(この子孫のキャラクターは架空の人物とのこと)で重層的な意味が生じ、寓話のような、現代ものでありながら古典劇のような――ある種の味わいがありました。映画として「そうくるか」という虚を突かれた展開でもありました。ほんとに見事。そして現実を映している。こんな作品が作れたらなあ……と思います。

 

前述の『第一次世界大戦はなぜ始まったのか』では「黒い手」とされていた組織が、「黒手組」として冒頭の学者らのインタビューで言及されます。そしてサラエヴォの支配勢力が変わるごとに皇太子暗殺現場が意味を変え、記念碑の語る内容も二転三転してきたことが語られます。皮肉だけれど、この「状態」こそがヨーロッパだ、とも感じます。字幕ではホテルの名前は出てきた記憶がありませんが、パンフの写真を見ると名前は「ホテル・ヨーロッパ」。やはり寓話的です。

 

題材から社会派ともいえますが、とにかく作劇がとても見事な映画でした。正直、冒頭の史実の総括では知らない固有名詞がたくさん出てきて、この地域の歴史に詳しくない自分にはついていけない部分も多かったです。それでも、それが気にならなかったのも事実です。理由は、「出てくる人物同士の関係」がわかるようにシーンが作られているからです。説明するのではなく、見せるのです。優れたフィクションはここがきっちりしています。自分が創作する場合でも押さえたいポイントだと思っています。もちろんこういった題材の映画は、史実に明るければより深く、別の切り口でも味わえるでしょう。でも映画は(映画に限らず創作作品は)鑑賞者の知識を試すトリビアテストではありません。鑑賞するうえでは、史実の勉強ではなく人物の力学こそが主題で、優れた作品ではそこにより大きな構造が二重写しになり、その広がりを「感じ取らせてくれる」のです。そこが醍醐味だと思います。

 

ほんとにおすすめの一本でした。機会があったらぜひ。

 

『サラエヴォの銃声』公式サイト

 

*   *   *   *   *

 

この映画を知ったきっかけは、毎朝見ている『キャッチ!世界のトップニュース』の「映画で見つめる世界のいま」というコーナーでした。国際政治学者の藤原帰一さんが月に一回、二本の映画を紹介しています。社会派系が多いですが、『ラ・ラ・ランド』(未見ですが)も現代のアメリカに流れる「現実を離れたい」気分の反映、という切り口で紹介されてましたし、以前にはエドワード・スノーデンくん(ええと、ファンなのです❤)の映画も紹介されたりで、自分にはお花畑のことも多いです。(笑)

 

ここからは余談ですが、スノーデンくんの映画についてツイートしたときに、上記の藤原さんのアカウントからフォローをいただきまして、Twitterをなさってることを知りました。以来フォローさせていただいてます。先日は『ムーンライト』の感想をつぶやいたところ、これも以前紹介されていたせいかリツイートして下さって、翌日RTや「いいね」がいくつもついていたのでびっくりしました。(時々伝播力のある方に発言を拾っていただくと、こんなことになるのがTwitterの面白いところです。逆に言うと独り言のつもりで無責任なことは書けない場でもありますね)接点がなかった方々に書いたものが届いて、反応を頂けたのは素直に嬉しかったです。

 

うちでとってる新聞にも月一回くらい政治ネタのコラムを書いてらっしゃって、以前から拝読していました。国際政治学者の肩書は大好きなE. H. カーせんせとも通じるのでちょっと憧れます♪(笑)Twitterはあまり覗けていないのでかなり見逃してると思いますが、映画の話以外に国際政治関連の海外記事紹介もなさってるので、そのへんにご興味がある方は参考になるかもしれません。

 

藤原帰一さんTwitterアカウント

 

 

…そういえば、イアン周辺のリサーチで海外の歴史学者さんのプロフィールをWikiを頼りに読んでるのですが、現代史を扱う歴史学者さんは政治学を兼ねるケースがわりと多いような……(カーせんせが両方の肩書で紹介されるので、脳内でそんなイメージになりがちなのかもですが)……でもこれは必然かも。現代の世界史を考えるなら政治状況はその柱ですし。イアンは二十世紀前半のヨーロッパが専門という設定なので、リアルタイムのニュースをどういうアナロジーで見るかなあとか、ライターとしてのどういう仕事につながってるかなあ、というあたりを想像しやすくなってきました。BL系ではありますが、いただいたご感想を拝見するといろんな切り口で読んでいただいてるので、リアルの取り込み方も工夫したいと思います。とはいえ、肝心なのはメインストーリーですし、トンデモネタと絡めるシリーズですので、本末転倒にならないようにがんばらねばです。

 

…ということで、資料話としてオチをつけて終わります☆

0 コメント

無料で古本アタリ日❤(ハモンド・イネス『銀塊の海』ほか)

先日、自宅と図書館のリサイクルコーナーで古本の掘り出し物をゲットしました! 自宅なのに「掘り出し物」なのは、文字通り『掘り出した」から。まずはそのいきさつから……最初は災難でこざいました。(^^;)

 

開かずの本棚から

 

じつはとある漫画を読み返したくなって、木製のスライド本棚の最前列(3列式の前列)を動かしたところ、棚がズレてしまったんです。無理に動かすとザリザリ通り道が削れて……結局完全に動かなくなってしまいました(涙)。で、一念発起して大掃除・復旧させたところ、長いこと「開かずの間」だったエリアからいろいろ発掘したわけです。今古書で見かけたらうっかり買いそうな本ばかりだったので、数千円分得したようなものです! 全部自分好みだし!(自分で買ったんだから当たり前!)

 

写真は発掘品からいくつか。てっきり処分してしまったかと思っていたものも見つかりました~☆

 

なぜ「開かずの間」になっていたかと言うと……部屋が狭いので本棚の前にもキャスターつきの引出なんか置いておりまして、さらにその上にいろいろ荷物が重なってるんですね。なので、棚の下半分のもの、特にスライド式の最前列のものは、その前の家具を動かさないと見ることもできない状態が10年以上続いてました。それを今回動かしたわけでした。いやしかし、見られないんじゃ持ってないのと変わらないですね。つくづく。うちにあっても出せなくて図書館で借りる資料が時々あるので、なんとかしないと!(^^;)

 

↑反省はともかく、発掘作業のきっかけになったのがこの江戸むらさき特急。(お、kindle版出てるんですね!)時代劇ネタの(と言っていいのか?(笑))ナンセンスギャグ4コマ漫画です。先日ほりのぶゆきさんの新刊情報をツイッターで拾って、懐かしくなっちゃいまして……。これ自体は奥の列の上段にあったので見えていたんですが、取り出すために最前列を動かして大惨事となったのでした。でも結果的によかったです。(笑)


見つかって一番うれしかったのがこれ、イギリスの冒険小説家ハモンド・イネス『銀塊の海』。日本での刊行は70年代あたりなので、表紙の時代感もたまりません。大昔に父の棚から奪った記憶があった本で、思い出して探したものの見つからず、処分してしまったものと諦めていました……こんなところにあったとわ。よかった、買いなおす前に見つかって……(真面目に買おうと思ってました!(笑))。

 

ハモンド・イネスについては、小説の参考にと読んだ『北海の星』の感想を以前アップしています。あ、その時にも『銀塊の海』にちらっと触れてますね(笑)。(「意外やテーマは自分探し?/70年代北海油田冒険小説『北海の星』」)…すでに故人ですが綿密なリサーチをする作家さんで、六カ月リサーチ、六カ月執筆、というペースだったそうです。今回見つけた『銀塊の海』はさわりを読んだところ二次大戦ものです。たしかイネス自身従軍経験があるんですよね。リアルな描写が期待できそう。

 

…じつはイネスの別の作品『海底のUボート基地』(さらっとすごいタイトル!(笑))というのをその直後に入手しまして、そちらを先に読んでおります。なので銀塊のほうはあとになりますが、読むのが楽しみです♪ Uボートのほうは他のイネスの作品とちょっと感触が違うようです。原書が刊行されたのが第二次世界大戦中とのことで、リアルタイムの心理描写なども興味深いです。こちらはまた、機会があったら改めて。

↑こちらは通販でゲットした『海底のUボート基地』。嬉しくてC-3POと一緒に記念撮影しました。うちで発掘したのよりよっぽど美本でした~。(笑)表紙イラストは『銀塊』と同じイラストレーターさんみたいですね。いいなあ、こういうイラスト❤

 

以下は懐かしいのをいくつか。


"Dale Cooper: My life, My Tapes"海外ドラマ『ツインピークス』の関連書で、『クーパーは語る』の邦題で文庫が出たものの原著。カイル・マクラクランが演じた変わり者のFBI捜査官、デイル・クーパーが自分の過去を語る……というもののようです。(読めてないのでレビューを参照させていただきました(^^;)。ダイアンて過去の女性の名前なのか……テープレコーダーに名前つけてるんだと思ってた☆(笑))

 

当時ペーパーバックなんて読みこなせるはずもなかった自分ですが、カイル・マクラクランには御多分に漏れずハマりましたので、まあ勢いで買ったんでしょうねえ……。現在マクラクランさんと、脚本・製作だったマーク・フロストさんをツイッターでフォローしているのですが、五月に続編が放映されるそうで楽しみです。この機会に懐かしさでこの本にも再挑戦できるかも。(笑)


続きを読む 0 コメント

正統派(?)古本屋さんと「昔の新書」

正統派(?)古本屋さん

 

書きかけのまま、なかなかアップできなかった記事です。(^^;)もう先月のことになってしまいましたが、自宅から歩いて30分くらいの、しばらく(ウン十年くらい?)行っていなかった辺りに散歩に行きました。あまり人けがないところですが、昔おいしくて安価なパンとケーキのお店があったんです。で、それを目的に(笑)。でもショーケースは空だし、店員さんもなく、なんだかごちゃっとしていたので……「閉業準備?」と落胆。…あとで「午前で商品がなくなる人気で、午後に行ったためスッカラカンだった」ことが判明しました。(今度リベンジします!)

 

で、その二、三軒隣に、記憶になかった小さい古本屋さんがありました。なんとなくで入ったのですが、これが掘り出し物のしっかりした「古書店」! 今よくある「リサイクル書」ではありません。「古書」です。神保町の専門店にあるような意味での「古書」。ものすごく敷地が狭いので本は少なかったですが、専門書のジャンルの分け方、その内容など少数ながら本格的で、「古書店の空気」を一瞬吸えた気が。こんなに近くにこういう場があったとは…!と嬉しくなりました。ブックオフ系ならあるんですけど、やはり雰囲気違いますもんね……。で、隅から隅まで見て、ちょうどそのとき探していた古い新書があったので購入。200円ナリ。(写真がそれです。良書なのでのちほどご紹介します♪)レシートが出ませんが、と言われたのでそのまま本だけ頂いて来ました。

 

本がひんぱんに入れ替わるお店ではなそさうですが、一週間ほどしてまた行きました。今度は買うものが見つかりませんでしたが、半年に一回くらい行きたいかな。(笑) 検索してみたら、お店のHPとか情報発信はいっさいなく、紹介しているのは、各地の古書店を発掘して歩いているブロガーさんの記事だけでした。(その方も行った翌週あたりにまたなんとなく行っている。すごく気持ちわかる! 行きたくなります!)

 

そちらでも書かれてましたが、ドアを開けると付いている鈴が「チリリン♪」と鳴って、奥から品のいいおばさまが「いらっしゃいませ」と出てきてくれました。正直カウンターとの距離が近すぎて、自分は待たせているようで落ち着かなくもあったのですが、慣れてらっしゃるのか「気配の消し方」がプロでした(笑) 。シャッ、シャッと音がしていたので、本に紙やすりでもかけていたのでしょうか。

 

 

(…ちょっと話が逸れますが、こういう本のクリーニング、出版社勤務時代に返本の再生で大量にやりました。小口や天の汚れは紙やすりで、カバーはPP貼りなら水雑巾。あと消しゴムも使いました。今も古本買ったときに汚れが気になるとやってます。最近は水雑巾でなく、100均で売ってるアルカリ電解水クリーナーとティッシュです。(除菌・消臭効果も謳われてるのでただの水よりいいかなと)かなりキレイになるので、やってみると快感ですよ♪)

近辺のさびれた感じのお店も昭和の香りが漂っていて、昔行った時の懐かしさもあったので、ちょっといいタイムトラベルになりました。

 

 

「昔の新書」

 

で、購入したのが写真の『ヨーロッパとは何か』。初版は1967年という古い本です。(写真は長距離歩いて帰宅後のおやつと共に。いつもはこんなに食べないです(笑))じつはそのとき図書館で借りて読んでいて、すごくいいので買おうと思っていたところでした。(イアンシリーズの「肥し」です☆)買ったその足で図書館の本を返しに行きました。(笑) 私たちがイメージする「ヨーロッパ」(西ヨーロッパ)が、おおまかに言って大昔のフランク王国の領域であることを、その地形、民族、宗教、言語やらの特色を交えて解説しているもので、これを読んでから「ヨーロッパ」をつかみやすくなりました。(1つのまとまりというイメージと同時に、いろんな民族がいて常にすったもんだしているというイメージ)先日から読んでいた現代史の本でも、第一次世界大戦前にドイツの皇帝が支配を目指していたという「中欧(ミッテル・オイローパ)」という地域概念が出てきたんですが、地図で見るとまんま旧フランク王国の版図で、「なるほどなあ、それを『取り戻す』感覚だったわけか……」とキモチヨク理解できました。こういうのって、頭から「こうなんだよ」と聞くよりも、自分で「そうなのか」と推理・理解すると頭に残りやすいし楽しいもんですね。知識って単独の情報のことではなく情報と情報のつながりのこと、ともよく言われますが、それを作る過程が楽しいのかも。後述しますが、文章に「人間の脳みそを通った感じ」を感じるか否かもそこかもしれません。

 

最初のほうで、ヨーロッパを「ギリシア・ローマの古典文化の伝統、キリスト教、ゲルマン民族精神」が絡み合っているもの、と書かれています。ぼんやりとイメージしていたものが言語化されて、なるほど納得。ヨーロッパでは実際そう教えられている、とのことでした。で、古典時代の衰退から中世がどうなっていくか、というあたりでヨーロッパの原型を解説してくれるのですが……個人的には中世ヨーロッパにほとんど興味がなくて(^^;)、最初はちょっと読むのがしんどかったです。ただ、クリストフアー・リーの遠い祖先が「シャルルマーニュ」(=フランク王国のカール大帝のフランス語読み)だとかで、生前その名前を冠したヘビメタアルバム(というか、曲のテーマにもなっている)を出して、王冠を被ったジャケット写真を使っていたり、映画の独立プロダクションを作ったときも名前が「シャルルマーニュ」だったりした……というなけなしのイメージからなんとか興味を掻き立てることができました(笑)。

 

この読後の満足感は、新書では久しぶりでした。ちょっと思いだしたのが、以前の記事でご紹介した『読書の技法』(佐藤優著)で触れられていた、「古い新書の書かれ方」――巻末におすすめ本の紹介などがあって、「読者がこの本で完結せず先に進めるものまで入っている」――でした。私、新書のイメージってまさにこれで……なにか興味が出た分野があるときに、その入り口として一般人が入りやすいように、専門家が書いてくれている安価で薄い本。パンピーの「知りたい欲求」の良心的な受け皿……いまだにこのイメージのままです。なので、それに合うのは古めの岩波新書か中公新書くらいかもしれません。逆にイマドキの、新書に限りませんが、サクッと読了できて即ブックオフに売られそうな(失礼(^^;))本は別物に思えます。なにか「人間の脳みそを通して書かれた感覚」が薄くて。もちろんすべてがそうではないんですけど、昔の本にはそれがあって当たり前だった感じがするんです。最近60-70年代の古書をいとおしく思うのですが、この感覚も魅力の一部かもしれません。

 

今回の『ヨーロッパとは何か』には、文献紹介はありません。が、別の意味で一般人向けの配慮がなされていました。章の終わりに、その章で説明したことを改めて言い換えて理解を定着させてくれたり、あと大事なのが関連する地図をつけてくれてること。私、地理がしっかり頭に入ってないので、地名だけ聞いても「どこ?」ということが多いんです。だからある程度細かい地名が重要な本では地図帳必須です。(^^;)ましてや特定のテーマで解説されるときは、それをビジュアルで見せる地図が本にあるとないとでは大違い。おかげでそのあと「ヨーロッパ」に関するニュースや本に入り込みやすくなりましたし、それが「入りぐち本」としての満足感にもつながっていました。

 

同じテーマの本はいろいろありますが、この本の冒頭には日本人から見て「追いつけ追い越せ」の対象だったヨーロッパ、そして日本側の西欧文化の導入方法への反省、という視点での考察がありました。今に通じるところも多くて独特の価値を感じますし、やはり日本人として入りやすいところでもありました。

 

…新書や文庫の巻末には、同じシリーズの既刊のリストがありますよね。じつはあれを見るのがすごく好きで(笑)。カバーの見返しにも近いジャンルの本が宣伝されてたりして……今回は大好きなE・H・カーの『歴史とは何か』もありましたし、現在絶版で当時ホットだったらしいテーマの本も並んでいて、その時代感も楽しめました。古いテレビ番組の録画に入ってるCMが妙にいとおしい、みたいな感覚でしょうか(笑)。隅から隅まで楽しめた一冊でした。(あ、ちなみに著者は故人ですが、『ヨーロッパとは何か』は現在も刊行されています! これも納得であります☆)

 

0 コメント

【お礼とご紹介】レビュー『History: 低体温男子イアン・ワージングのハロウィーン』(日本ストア)

2/4に、イアンシリーズで初めてのアマゾンでのレビューを賜りました。主人公の歴史ライターが訪ねる巨石遺跡の切り口から、シリーズにご興味をお持ちくださった方のレビューです。前回から繰り返すようですが、レビューを頂くこと自体が少ない中、シリーズ全体をご紹介くださっている貴重なレビューなので、大変恐縮ですが全文を転載させて頂こうと思います。

 

History: 低体温男子イアン・ワージングのハロウィーン [イアン・ワージングシリーズ 2]

 

 

☆☆☆☆☆ ときほぐされる不思議現象が知的好奇心くすぐり、繊細な心の動きが丁寧に描かれるシリーズの掌編

投稿者 Amazon カスタマー 投稿日 2017/2/4

  

BLにかぎらず、あまり恋愛ものを読まないのですが、(いま「それでも乏しい経験の中では○○○や△△△が好きです」と例を出そうとしてとっさに出てきませんでした……)短い中に、マジメな学問の徒である主人公の静かな情熱が繊細に描かれていて、何度も読み返すお気に入りの一作になりました。ふとしたきっかけで出会い、距離をはかりながら近づくふたりの様子と、共有できない苦悩と喪失、些細な記憶の煌めきと重さ……。

 

わたしが「イアン・ワージングシリーズ」を読んだきっかけは、むしろ主人公イアンの仕事にまつわる「ストーン・ヘンジ」「レイライン」などに興味があったからでした。妖怪や怪談は大好きですし、一時期いわゆる「トンデモ本」についての本を読み耽ったことがあります。

と、いっても、イアンはもちろんそんなものを本気にしているわけでは全然ないのです。

イアンは、歴史学の徒だが、わけあって大学の研究室を追われ、勤めていた会社も辞めてライターの仕事でしのいでいる。厳密さを尊び専門外の物事には疎く、特に怪奇趣味や超常現象には興味もないし軽蔑しているのに、しばしば入ってくる仕事はなにかとオカルトがらみ。取材で訪れたイングランド北部で知り合った地元のチャーミングな、でもレイラインやストーン・サークル研究に熱心という点で決定的に相いれない青年の家に泊まることになったり、(ネガティヴ・ケイパビリティ: 絶食系男子イアン・ワージングのレイライン紀行 [イアン・ワージングシリーズ 1])「真理の探求者」のゴーストライターをつとめることになったり(ギャザリング・ストーム: さむがり男子イアン・ワージングのゴースト修行 [イアン・ワージングシリーズ 3])……。次作では「北海に沈んだUFO」(!)の取材だそうで、楽しみです。

この短いお話が描くのはそこで語られていないイアンの過去であり、「絶食系男子」のはじまりのはじまりとも言えるハロウィーンの夜。そしてそれから十年近くがたったハロウィーンの夜。彼は過去の亡霊に再会して……。長めの作品の前日譚的要素もあるので、それらを読む前に読んでもわかりやすいかもしれません。

日本でもほんの最近、英語教室の子供たちなどばかりではなく大人にまでポピュラーになりだしたばかりのハロウィーンパーティーは、英国でも伝統ある行事、というわけでもないようです。

「現在のハロウィーンは、アメリカで発達した祭の逆輸入である。だが本来この行事は、ドルイド教の新年の始まりの儀式に由来する。……」(作中のイア ンが書いた雑誌記事より)

イアンはあの有名な映画のジャック・スパロウも知らないし、派手なハロウィーンパーティーにはなじめません。しかしそこで素敵なアメリカ人の男性に出会い……。墓石の仮装をしたおちびちゃんもとっても可愛いですよ!

 

 

*      *      *

 

何度も読み返していただいているとのお言葉、涙が出るほど嬉しいです。筆者もじつは特化したBLはあまり読まないほうなので、いろいろな切り口で楽しんで頂けるよう、及ばずながら意識して書いております。続編は少し時間がかかっておりますが、前作で心残りだった部分も改善できればと思い奮起しております。頂いたレビューはとても励みになりました。ありがとうございます!

 

イアン・ワージングシリーズご紹介ページ

 

0 コメント

【お礼とご紹介】レビュー"Space Detective Holmes"シリーズ(USストア)

1月末のことですが、宇宙探偵ホォムズ英語版シリーズ2冊に、Amazon USストアにて五つ星レビューを賜りました。もともとレビューを頂くことは少ないのですが、海外ストアでは輪をかけてめったにないことなので(^^;)、恐縮ですが拙訳を付してご紹介させて頂きます。(そのほか、2/4にも日本ストアでレビューを賜りました。記事を改めてお礼とご紹介をさせて頂きます)

 

Space Detective Holmes: Squid & Watson 

 

☆☆☆☆☆ Fun and Entertaining (楽しくて愉快)

By Amazon Customer on January 27, 2017

It's a short read, but a very entertaining one. Watson had me squealing in his cuteness throughout the whole comic.

(短いけれどとても愉快な作品。ワトスンがキュートで、読んでいる間中キャーキャー言っていました)

 

 

 

 Space Detective Holmes 2: Ice Cream and Watson

 

 

☆☆☆☆☆ Cute and funny! (キュートでおかしい!)

By Amazon Customer on January 30, 2017

Funny and adorable. A lot of play on words type of humour that you can appreciate. Another thing to appreciate, the very simplistic style of art.

(おかしくて可愛い。言葉遊びがたくさん出てきて、そのユーモアは私たちにも楽しめます。もう一つ、とても単純化された絵柄も楽しめる所です)

 

*      *      *

 

単純化した絵柄は、じつはアメリカの古いアニメーションに影響を受けています。(『宇宙家族ジェットソン』の絵柄が理想の一つだったのです)そこを楽しんでいただけてとても嬉しいです。ありがとうございます!

In fact, the simplistic art style of these comics was influenced by an old American cartoon. (The art of "Jetsons" was one of my ideal styles.) I'm so glad that you enjoyed the style. Thank you so much! 

 

日本語マンガ(宇宙探偵ホォムズシリーズ、チョロQワトスン)

 

English comics: Space Detective Holmes series

 

0 コメント

最近読んだ本から五冊(+三ツ矢雄二さんのお話少し)

ここのところきちんとした読書に集中するのが難しい状態が続いて参っていたのですが、ネット接続の時間を意識して制限するようになったせいか、だいぶ本が読めるようになってきました。そのなかからいくつか。

 

大事なことに集中する

ネット接続の時間を減らすのに背中を押してもらった本。自分の場合、成果を出したいとかいう以前にもう、ほんとに物が考えられないというか、まともに本も読めない状態になってしまい、ほとんどノイローゼに近い状態になってた(^^;)ので、以前個人ブログのほうでちらっと書きました『ネット・バカ』と同じ文脈で大変助かりました。(あ、今どき「ノイローゼ」って言葉はあんまり聞かないですね(笑)) 奇しくも『ネット・バカ』の原題はThe Shallows (シャロー=浅い/浅薄な)、だったんですが、この本では集中・没入するタイプの仕事「ディープ・ワーク」マルチタスクなど散漫な状態でする仕事「シャロー・ワーク」として対照させています。

 向き不向きはあると思いますが、自分の場合ディープ・ワークから遠ざかってシャロー・ワークばかりが続いていると、調子が悪くなるようです。シャローって「呼吸が浅い」という意味でも使う言葉で、まさにそんな感じで苦しくなるような。でも、最近いろんなところで目にする「ネットの弊害」を見てると、けっこうよくあることなのかも……と思います。以前やはり個人ブログのほうで、テッド・チャン氏の「ネットの影響でアテンション・スパン(注意力を維持できる時間)が短くなってる」という話をご紹介したんですけど、そういう症状は多かれ少なかれ、ネットを使う人のほとんどに起こっているんだと思います。それを不快に思わず使いこなせるかどうか、というのが分かれ道ですね。(自分は順応できてない組です(^^;)) この本の著者は学者さんなので、ライフスタイルとしてすっかり真似することは不可能なんですが、とりあえず割り切るべきところを見極めるのに役立つ本でした。(ツイッターに関しては、確かに気は散るんですけど、個人的には逆に気を紛らわせたいときとか、情報を得るとかご縁ができるとか、かなり恩恵も受けています。なので、今のところは時間制限はしつつ使いつづけたいなーと思っています。バランスのとり方模索中☆)

 

 

読書の技法

 

自分が熟知していない分野の本は速読できない、というご託宣と、「熟読」「速読」「超速読」のやり方がとっても参考になりました。しっかり読もうとすると線を引いて汚してしまうほうなのですけど、それでいいのだ、とお墨付きを頂いた感じで気が楽に。抜き書きも似たようなことを我流でしてたんですが、大きく学んだのは「超速読は熟読しなくていい本を選別するため」、という割り切った考え方。なるほど! これもなんか「買った以上全部を読了しなければ」というストレスから解放されていっきに楽になりました。佐藤優さんは池上彰さんとの蜜月ペアで「ファン向け」の御用達道具開陳本とか大人気ですね。自分はそこまでのファンではないので、蜜月対談本はたぶん過去に1冊しか買ったことがないですが、たしか中にあった「情報はできる限り母国語で取れ」とか、今もちょくちょく肝に銘じてますし、重宝な情報源として紹介されてたCNNやウォールストリート・ジャーナルの日本語版サイトは現在よく閲覧させていただいてます♪ 本の読み方の本では、他でズバリ『本を読む本』という古典的なのも以前読んだのですが、そちらも良書でした。

 

 

トロイの癒し

北アイルランド出身の詩人シェイマス・ヒーニー(1939年4月13日 - 2013年8月30日)の戯曲。ソフォクレスの作品を下敷きにしたものだそうで、毒蛇に噛まれて歩けなくなり、オデュッセウスに島に置き去りにされた男ピロクテテスの物語。リアルタイムのアイルランドの情勢などをオーバーラップさせているそうで、そのへんは注を読むとよくわかるようになっています。が、もっと一般化して恨みを乗り越えるのは自分自身の力によるとか、特に後半に出てくる警句めいたセリフがいろいろな角度で深読みできる作品でした。短いのでサクッと読めますが、時間をかけて(詩人さんの言葉ですからできれば原語で)味わえれば理想なのかも。もちろん戯曲ですから上演されたものを見られればもっと理想ですが。

 

ヒーニーさんを知ったきっかけは、たしかルイーズ・ブレーリーさん(SHERLOCKのモリー役)が引用BOTのツイートをRTしていたことで、それからなんとなくそのBOTをフォローしています。今回初めてプロフィールを調べて、ノーベル賞受賞者だったことを知りました。ぜんぜん知らなかったです。(^^;)

 

 

もういちど読む山川世界現代史

こちらは現在進行形。佐藤優さんの本で「本には読む順番がある」というのを読んで、歴史関係の本を読む際に痛いほど感じる(笑)基礎知識のなさをなんとかしたい、ということで。まずは姉妹本(?)の『もういちど読む山川世界史』から手をつけて、今はこちら。「近代世界システム」という、世界を「中心国」(西欧)と「周辺国」「半周辺国」の関係として読み解く切り口で書かれていて、『…山川世界史』が高校教科書をベースにしていたのとは違い、昔同社から出ていた現代史の単行本シリーズが底本らしいです。じつはその現代史シリーズのイギリス編がすごくよくて、図書館で借りたあと購入し、今も線引いて汚しながら読んでいるので(笑)、今回の本も信頼して読み進めてます。たしかに各国史の平行記述より入りやすいです。このへんの時代はイアンの専門領域なので、がんばって追いつきたいです。というか、楽しくなってきました。資料読みがライフワーク化してはミイラ取りがミイラなので(?)気をつけなくてわ~。

 

 

両大戦間における国際関係史

 

ファンになっているE・H・カーせんせの本を古書でいろいろ集めています(安価なものだけですが)。これはタイトル通りの本ですが、カーせんせの本としては出色の読みやすさ。こちらもイアンの領域の本なので、線で汚しつつ、舐めるように少しずつ読んでます。60~70年代の本はやっぱり時代感がたまらんです~❤(笑)

 

 

最近のトランプ氏がらみのアメリカの孤立主義化やヨーロッパの右傾化などが、一次大戦後~二次大戦勃発前(ちょうどカーせんせの本で読んでるあたり)と似た状況になってきてる、という話が聞かれます。確かに、と感じるのですが、妙なシンクロはしてほしくないものです。

 

*      *      *

 

 

…ぜんぜん関係ないですが、今日テレビで声優の三ツ矢雄二さんがカミングアウト、という話題でご本人が出ていて。スラップスティック(という声優さんのアイドルグループみたいなのが昔ありました)とかの頃からそういうキャラで真正だと思っていたので、正直「ええっ、今さら?」というのが第一印象でした。が、二十代~三十代初め頃まで一緒に暮らしていた人がいた、とか堅実なお話を聞いているうちに、「キャラ」として表現することとリアルライフをカミングアウトすることはまったく別物なんだな、とつくづく思いました。今後は海外のゲイがテーマのミュージカルを日本に持ってくるようなプロデュースなどなさりたいと話しておられました。楽しみです。しかし声も見た目もあまり変わらないですねえ……62才とは驚きでした! 『コンバトラーV』とか懐かしい……!

0 コメント

2017年明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。昨年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。つい一昨日はコミケ参加だったので、まだ余韻が抜けません。スペースにお立ち寄り下さった皆様、ありがとうこざいました!

 

今日はお正月モードで写真など撮ったので、のんびり書こうと思います。あ、最後に無料配信のお知らせもさせていただきます!

 

朝からいいお天気で、毎年行っている近所の神社へ初詣に行き、途中で初ネコ初アオサギをゲット。アオサギは家の前の川に生息していて、イメージがイアンに似ているので勝手にイアンと呼んでいるのですが、最近姿を見なくて寂しかったところでした。……幸先いい、今年はいい感じで原稿が進むかも♪……ということにしておきます。(笑)

 

神社はふだんは無人のところで、朝九時頃行ったら「店開き」するところでした。なんとお社の中からおみくじの箱だのなんだの出てくる出てくる…ふだんは物置というか収納スペースにもなってるんですねー。(^^;)昨年くらいは大晦日だけは深夜もテントを張ってお守りとか販売していたはずなのですが、集まる人が少ないのかな…。ちなみにおみくじは「末吉」でした時間はかかるけど願いは叶うそうなので、それを信じてがんばります。(笑)

 

下の左は(ボケてますが)川向うのアパートの上から下界を睥睨していたアオサギイアンさん。

右は「準備中」でお社から備品を運び出してる神主さん(?)。参拝者が「開店」を待っている牧歌的な神社です。(笑)


 

そして今朝は一応、お雑煮とクルミ餡でお餅をいただきました。じつはおせちは昨日から開けてしまっていて、あまり特別な感じがしません。(笑)お雑煮は母方が宮城なので東北風です。

 

コミケのご報告は個人ブログのほうで詳しくするつもりですが、初めて創作JUNE/BLでスペースをいただけ、初参加に等しいので、このジャンルの本としてメインで持ち込んだイアン・ワージングシリーズのお試し無料本をちらほら持って行っていただければ御の字…と思っていました。が、意外にも無料本はほぼすべてなくなり、有料本も二次の既刊を含めていろいろお買い上げいただけました。男性も買ってくださったことにびっくりです。(コミケの「創作JUNE/BL」は「女性向け」ではなく、ゲイの方向けの作品も混合のエリアなんですよね。でもヘテロでもBL読む男性はたくさんいらっしゃるので、あまり関係ないかも……)皆さまありがとうございました。楽しんでいただけていたら嬉しいです。

 

…昨年は、このイアンシリーズの新刊が出せなかったのがとにかく心残りなのですが、焦らず良いものにしようと決めたので、今年も焦らず、地道に進めていきたいと思います。出来上がりました暁には、どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

 

 

*      *      *

 

 

現在、1/3までの予定で下の二つが無料配信中です。未読の方にお試し頂けたら嬉しいです。


0 コメント

お手頃手帳替え

最近管理することが増えたのもあって、ちょうどいいタイミングなので先月から手帳を替えてみました。以前は100均で買ったA6のマンスリーダイアリーと、同サイズのフツーの罫線つきノートをノートカバー(コクヨのシステミック)でまとめて使ってました。ノートは一日1ページで左側にバーチカル風に予定を書き込んで、デイリーダイアリーとして使ってました。

 

新しくメインで組み合わせたのはB6サイズで、ユナイテッドビーズのデイリープランナー(日付なし・194円)と、100均のマンスリーダイアリーの10月始まり。ついでにユナイテッドビーズのウイークリープランナー(こちらも日付なし・194円)も購入。このメーカーのファンクションノートシリーズは高機能+安価で気軽に試せて嬉しいです♪以前はB5とA5しかなかった気がするのですが……今の自分にはB6でちょうどいいです。

 

(ちなみに近所で扱ってる店がないので通販でした。でも東京ビッグサイト近くのTFTビル内の丸善で、以前B5サイズを買ったことがありました。先日コミティアを見に行ったときそれを思い出して、予備を買い込んできました♪)

 

デイリープランナーは1日1ページで、左側に24時間のバーチカル、右側上段が空白、下段が罫線の入ったメモ覧です。つまりこれまで手書きでやってたのとほぼ同じ仕様。今は上段にTo Doや買い物メモ、下段に記録として残すことなど書いています。一冊64ページなので約2カ月分ですが、もともと一年分を持ち歩く必要はないので軽くて良いです。ウィークリーも64ページですが、「今週は●●を終わらせるぞ」と自分を鼓舞したいときに使うだけなので、暇なときは使わないです。(笑)

 

これまでがA6だったせいか、B6になったらすごく広く感じられて、いろいろ書き込んでます。ただ、やはりカバーはほしくて、愛用していたシステミックがA5かA6しかないので、今回はB6で似たような機能のキングジムのノートカバーにしてみました。価格は多少変動あるようですが、自分が買った時はアマゾンで1139円。ポメラに続いてキングジムさんにお世話になりますー。(笑)

 

こちらがそのノートカバー。ゴムでなくマグネットでとめます。
開いた背表紙部分にくぼみがあり、ペンを引っ掛けられるようになってます。
上記のノートは薄いので、三冊でも十分入れられてます。

しおりヒモが2本なのはシステミックと同じで助かります。さらにTo Do List Boardという、付箋を貼るプラスチックの板にめくれる透明カバーがついたものが付属していて、これがすごくスグレモノです!前から自分で付箋を貼るスペースを作ったりしていたのですが、カバーがないとはがれてなくなってしまったりするので、ちょうどこういうものを自作しようかと思っていたところでした。付属品はよく見ていなかったので実物を見て初めて知り、嬉しいサプライズでした!

 

デイリープランナーを開いたところとノートカバー付属の付箋ボード。
使っているものなので文字はぼかしを入れてます。

(露光の関係か罫線もあまり見えないですね。スミマセン(^^;))

 

100均(キャンドゥ)のB6マンスリー。昨年、週の初めにメモ欄があるのものを探していて、同じもののA6版を買いました。
今年は冒頭に月ごとのメモを一覧で書き込むページがつきました。
イベントや出版目標など1年分を計画できそう。ありがたい改良です。

 

ユナイテッドビーズのウィークリープランナー。バーチカルが1週間分並んでいて、
左側にメモ欄、各曜日ごとにチェックボックス欄もあります。

 

使い始めるとデイリープランナーだけで持ち歩きたいこともあるので、そういうときは100均のマンスリーにかかっていたビニールカバーをこちらにつけたり、いろいろ試行錯誤中……でも手帳ってこういう、目新しく感じている時期が楽しいんですよね。(笑)

 

目下の悩みは、100均では手帳は月曜始まりがメインであるにもかかわらず、カレンダーは日曜始まりしか見当たらないことです。昨年ダイソーで買ったリングノート風のシンプルなカレンダーが使いやすかったので、今年も見つけてすぐ買ったのですが、照らし合わせてみたら月曜始まりの手帳と日曜始まりのカレンダーということに……。100円だったのだし、無駄になっても素直に月曜始まりのカレンダーを買いなおせばいいんですけど、なんか悔しいのであります……。100均で月曜始まりのカレンダーって出してくれませんかねえ……!

 

【追記】…とか書いたあとキャンドゥで見つけました月曜始まりのカレンダー! 残念ながら自分にはちょっと大きすぎ&小さすぎの二種類しかなかったので買いませんでしたが、この前見た時は確かになかったので、これから出てくることも期待してチェックしようと思います~☆

0 コメント

ハロウィーン無料配信・コミケのお知らせ

10/31はハロウィーン、ということで、今年もハロウィーンにちなんだお話を無料配信いたします。シリーズお試し短編で設定のご案内つきですので、前作未読の方もぜひどうぞ。

 

無料配信
10/30(pm 5:00)~11/1(pm 5:00)
(時間は前後することがあります。ダウンロードの際は価格欄をご確認下さい)
History: 低体温男子イアン・ワージングのハロウィーン

(イアン・ワージングシリーズ2)

マイルドBL・MM系小説(R15程度)です。

 

ゲイの歴史ライターイアンの、元彼との回想をまじえたハロウィーンのお話。比較的コミカルなシリーズ中では異質のしっとりとした一本になっています。お楽しみいただければ幸いです。

 

*      *      *

【同人誌イベント参加のお知らせ】

 

 

年末のコミックマーケットにスペースを頂けました。こちらのサイトでは電子書籍をご案内していますが、コミケは大きなリアルイベントなのでご案内させていただきます。kindle本の紙版同人誌のほか、未電子化作品、二次同人誌の在庫も持参予定です。おついでがありましたらぜひお立ち寄りください。

 

12/30(金) 西み29b

SUSSANRAP(サッサンラップ)

(「創作JUNE/BL」エリア)

 

コミケウェブカタログ/SUSSANRAP

(要ログイン)

 

コミックマーケット公式サイト

 

 

0 コメント

〔内祝〕情報カード様のおかげでよーやくシノプシス貫通❤(涙)

 

難航していたイアンシリーズ新作のシノプシス、今朝アサメシマエの時間帯に紙の情報カードで整理しなおしていたら、予想外にラストまで貫通(?)してくれましたっ!(涙)

  

で、思わず記念撮影しまくり。もう今日の成果ここまででいいし、欲をかいてもだいたいダメだからブログでも書こう、というわけで(笑)。タイトルは「(メインタイトル):●●男子イアン・ワージングの●●●」というフォーマット(?)を継続しようと思っているのですが、サブタイトル後半部分の「北海旅情」だけは気に入ったので使いそうです。他は内容の変更しだいで変わるかもしれないので写真にボカシを……。(特に問題ある表現というわけではないですー!(^^;))

 

とにかくものすごく苦労していたので、いきなりできたとき自分でもポカンとしました。いわゆる「ゾーンに入る」という状態になれたこと自体がものすごく久しぶりで……最高ですね。時間の感覚がなくなって集中している状態。これが味わいたい、というのも創作活動がくせになる要因の1つかも。最近は気が散る状況が重なったこともあり、「こしらえよう」という姿勢から抜けられてなかったなー、と思いました。まあこれは、なかなか思うようにならないものですけど。それをコントロールすること自体が大切なプロセスですね。…そういえば、今朝ツイッターでジャン・コクトーのこんな言葉を見かけました。

 

 

(元が英語訳なので重訳ですが)「詩人はこしらえない。詩人は聴くのだ」

 

自分がやってるのは詩じゃないですけど、ゾーンに入れたときの創作はまさにこれだという気がします。

 

…それはさておき、ふだんはポメラで思い付きを書き出し→PCでWordやフリーマインド(マインドマップ的なツリーが書けるソフト)あたりを行ったり来たり……とかやってるのですが、煮詰まったときにこの「紙の情報カードに書き出して整理する」のプロセスを入れると、壁をスルッと抜けられることがあるんですよね。今朝がまさにそれでした。貫通と言ってもまだ「暫定的なたたき台」が完成しただけなので、壊したり書き足したりを延々とやるわけですが……。

ついでにインデックスも記念撮影。カード作業が長引くと項目も増えたりすると思います。自分だけわかればいいので自分用語ですが、「オモテライン」は事件や出来事の進行、「ウラライン」はキャラクター同士の心のドラマとか、イアンの内心の変化などです。これがうまく絡んでくれると理想でございます☆

 

「ガイドライン」は今回注意しようと思っていること。「ムダなシーンを作らない」とか「設定は背景にとどめる。読みたいのはキャラクターのドラマ」…とか、思い付きや映画や本から気づいた注意点なんかをいろいろ書きとめてます。「資料」は新しく探すべき資料のメモ、「Now working」が今やってること・次にやること。リサーチを複数していて錯綜したり、別の仕事で間が開いたりすると「あれ、なにやってたんだっけ?」という確認作業でかなり時間をとられるのがわかってきたので苦肉の策です。(^^;)

 

「あとまわし」と見えてるのは、最近読んだ本からヒントを得た「あとまわしリサーチ」。壁に突き当たってたときに読んだ『脚本を書くための101の習慣 創作の神様との付き合い方』という本にあったことで、逆説的ですがリサーチは可能な限り後でやる、というご託宣(?)です。この本自体はハリウッドの現役脚本家さんたちへのインタビューを項目ごとに編集したもので、内容は「書き方」ではなく「書く過程で遭遇するアレやソレにどう対処しているか」です。なので、ハリウッドでの仕事の得方とか業界特有の話を抜かせば、個人的な創作にも役立ちます。長所はたくさんの意見が載っていて、たがいに矛盾する意見も載ってること。「その時の自分」に合うものが見つかる頻度が上がってます。自分の状態もコロコロ変わりますからね。(笑)

 

引用した「リサーチは可能な限り後でやる」は、没頭して乗って書いてるときに中断してリサーチなんて、という方の意見。自分が今やってるものはある程度リサーチが済まないとキャラクター自体が動いてくれませんが、書き手の生理的な流れを優先する、ということを言っていると思いました。今回は過去の心残りからかなりリサーチをしているのですが、逆に調べたことをそのまま書いてしまったり、面白くもないウンチクが紛れ込んでストーリーが止まったら最悪だという自戒と、やはりキャラクターのドラマがメインだと思うほうだし、それは経験でも没頭できたときにいいものになるので、意識して優先しようと思いました。それに、「リサーチ」が「書くこと」からの逃避になることも、じつはかなりあるのです。これもこの本に「サボりの隠れ蓑」とあって、うわあそーいう時ってあるある~、と思いました。(笑)

 

さて、そんなこんなでいちおうラストまでいきました。情報カード様様です。カードに一つの章とか一つのシーンごとに書いていくと、そこだけ考えればいいので集中しやすいのかな……とも思います。順番変えとか一瞬でできて気軽ですし。…ちなみに、前回インデックスを鉛筆で書いたので使い回してます。たまーにしか使わないので勿体ないですし……。(前回違う使い方をしたので項目は変わっておりマス)カードボックスも使い回しで歪んでます(笑)。今回は消せるボールペンのフリクションボールです。鉛筆を消すのはけっこう面倒ですが、今回はカードの中身もフリクションで書いてるので、本編書き終わったらドライヤーで温めればカード全で再利用できるかもです!(笑)

 

今週末はコミケの当落がわかるので、ちょっとドキドキしてます。これで年末までのスケジュールが決まります。新作はコミケに間に合うかどうかわかりませんが、間に合えば紙の同人誌を出したあとにkindle版も出す、といういつもの流れになると思います。バイトと賃仕事をしながらの創作ですが、せっかく少しずつ、読み放題などでもお読みいただけるようになってきたので、シリーズを自分にできる限り面白い(=「自分で読んでも面白い」)ものにしたいと思います。手前味噌ですが、これまでのところほぼそこは達成しています。新作では前作までで心残りだったところを改良して、より満足のいくものにしたいです。

0 コメント

意外やテーマは自分探し?/70年代北海油田冒険小説『北海の星』

ただいま、次のイアンものの資料を漁っております。北海に沈んだUFO、という話になる予定なので、北海関係、UFO関係をいろいろと。モチーフとしてがっつり出すかどうかは関係なく、なんとなく心惹かれるものを見て回ってるのですが……いやー楽しい楽しい♪(笑) マイブームになってしまったのが「北海油田」です。なんというか、巨大な工場が海上ににょきり生えているような、姿のSF感がたまらなくて。廃墟萌えにもがっつり対応する魅力です。アマゾンで検索してたら海上油田基地のプラモデル(廃墟じゃないけど)まであって、桁が一つ低かったら買ってました……。(高い(笑))

 

そんな中で、北海油田そのものを舞台にした小説を見つけました!それがこちら、ハモンド・イネス作『北海の星』。シェトランド諸島の西に発見された油井がモチーフなので正確には大西洋なのですが、大きく北海油田の一部と括られるようです。

 

これ、書かれたのは1970年代。主人公が労働争議に関わってたり、「コミュニスト」や「アナーキスト」などの用語が飛び交って素敵な時代感があります。北海油田がブイブイ言わせてた(この言い方ももう死語?)のがこの時代なので、当時の「ホットなモチーフ」で書かれた海洋冒険小説、という感じです。イギリスのアマゾンで感想を見てみたら、今は失業補償制度があるから、労働争議にここまで入れ込む気持ちがわからない……というのがあって。なるほどなー、本国でも時代が変わるとこういうものなんだな……と興味深かったです。日本はその点まだまだなので、かえって感情移入はしやすいかもです。(ただ、過激な行動はやはり受け入れがたいかも)

 

読んで「あれっ」と思ったのが……この主人公、冒険小説の主役らしくないんです。

年齢ははっきりしませんが妻と疎遠になっていて、たぶんもう若くはなく三十代後半~四〇代前半くらいの印象。幼少時に両親が離婚し、母が再婚した富豪の義父とは折り合いが悪く、高学歴ながら放浪の末労働者側に立つようになり、今はトロール漁船に乗っている……という、ありがちといえばありがちなナイーブな主人公。それはいいとして、いろいろと割り切れてないし強くもなく、判断力もない。やっちまったあとに後悔ばかりしていてます。だけどクライマックスではなぜか知識もないはずの油田基地の指揮を執る羽目になり(「門外漢が専門家より正しい判断をする」というお約束(笑))、何もしなくとも女性(主人公と対照的にしっかりした、生活力がある魅力的な未亡人)がすり寄ってくれて、じゃあ妻はどうすると思ったら(予想がつきますがネタバレ自粛)……とまあ、男性の願望を満たすエンタメ作品ゆえ仕方ないですが、女性の目で見るとちと都合がよすぎて辟易する部分もありました。(^^;)

 

で、この彼がとある陰謀に巻き込まれ、死んだ実父の秘密などが絡んでいくのですが……文字通り巻き込まれ型。行動は完全に受け身です。おまけに最後は騒動の中で出会ったかの女性と生きていこう、という予定調和でげんなりしたのですが……ハタと気づきました。原題は"North Star"。物語に出てくる油田基地の名前なのですが、意味としては「北極星」です。これは人生の目指すべき方向を示すものの比喩。そこで「ああ、全体が自分探しの話だったのか……」と合点がいったわけです。(邦題は工夫したのでしょうね。北極星じゃイメ―ジ湧きませんし、当時ホットだった北海油田のイメージを取り込んだ判断は正しいと思います。原題の自分探しのニュアンスまで含めるのは難しいですね)

 

wikiを見てみたら、このハモンド・イネスという人の書く主人公は「冒険小説の主人公らしくない」のが特徴だそうで、この作品もこの人らしい作品であったわけです。綿密に取材をして書く方だそうで、この小説も前半に海上油田基地の微に入り細に穿った描写がありました。自分はそれを読むのが目的だったものの、小説としては情報量に作家自らが翻弄されている感じで、そこが物語から乖離して浮いている印象がありました。あとがきに時間の制約で筆を急いだ、という記述があったので、それはそのせいかな、と思いました。(現実が考えていたものに追いついてきてしまい、早く出さなければ、という状況だったらしい)別に読んだ北海油田のルポルタージュと同様で、こちらもシェル石油の油田基地を取材して書かれた、とのことでした。まあそのへんを読むには良かったかな、と思います。

 

…なんだか辛口なことを書いてしまいましたが(^^;)、じつはこのハモンド・イネス、かすかな思い入れがあります。読んだこともないのに名前に聞き覚え(読み覚え?)があって、記憶を手繰ったら大昔に父の本棚にあった海洋冒険小説が、この人の『銀塊の海』という作品でした。新聞以外ほとんど読まない人なので印象に残っていました。日本では70年代頃翻訳が出版されたようですが、1950年代には映画化作品もあります。『キャンベル渓谷の激闘』(1957)はダーク・ボガード(『ベニスに死す』の!)とスタンリー・ベイカー(『ズール戦争』の!)、『メリー・ディア号の難破』(1959)なんてゲイリー・クーパー、チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス出演と豪華。いずれも日本でDVDは出ていないようなのですが、見てみたいです~!

 

 

…冒険小説でナイーブな主人公というのも、当時は新機軸だったのかな……なんて想像しています。今ちょっと70年代あたりの空気感がマイブームなので、ちょっともう少し漁ってみたい気もします。紙の本は軒並絶版ですが、古書やkindle版ではまだ手に入るようなので……『銀塊の海』も機会があったら読んでみたいです。(老父に「これ持ってたよね」と聞いたら「そうかあー?」と流されてしまったので、家で探すのはあきらめました……(笑)) 

 

下はYouTubeで見つけたハモンド・イネスご本人の映像です。未使用とのことで音声もありませんが、なにかのPR用でしょうか。時代感がたまりません…。

0 コメント

不在者への恋文/『イヴ・サンローランへの手紙』

君はアーティスト、そして私は絶対的自由主義者。

ところが人は私たちを実業家に変装させた。とりわけこの私を。

(『イヴ・サンローランへの手紙』p.55 ピエール・ベルジェ/川島ルミ子訳 )

 

2008年に亡くなったデザイナーのイヴ・サンローラン。ほぼ同時期に作られた伝記映画2本(『サンローラン』『イヴ・サンローラン』)を先日鑑賞しました。そのあと読んだのがこれです。サンローランはゲイだったそうで、著者は50年間公私にわたってパートナーだったピエール・ベルジェ。(表紙写真の右がベルジェ、左がサンローランです)サンローランの死の直後から約1年間の出来事、回想などが書かれた本で、ある意味極上のJUNE文学でした。おすすめです。

 

…ちなみに自分はもともとブランド品に興味がなく(^^;)、サンローランもかろうじてデザイナーの名前だと認識していた程度。「イヴ」なんて女性かと思っていたくらいです。(スペルが違うんですね。ブランドマークにも入っているYでYves。知らなすぎてスミマセン)サンローランがゲイだったことも、もちろん映画で初めて知りました。なので、あくまで(ブランドへの思い入れなしに)鑑賞している立場だということをお断りしておきます。

 

イヴのことを思うとき、わたしがまざまざと思い浮かべるのは、

ディオールでの彼の最初のコレクションの後で知り合った近眼で内気な青年だ。

私の手を取り、連れていくようになる青年。栄光に出会ったことを、それが二度と彼を放さず、

スタール夫人が言うように「幸せの華やかな喪」をもたらすことを

彼がまだ知らなかったこの壊れそうな瞬間を私は思う。

彼は二十一歳だった。(p.176-177)

 

文章を読んで、この人はサンローランの脚注としての経歴――五つ年上で同性愛の恋人でもあり、独自のメゾンを協力して立ち上げ、その後私生活では別居したものの、サンローランの死後まで経営に従事――から想像しやすい、パトロンと実業家を兼ねたような人物とは少し違うと感じました。二人が出会ったとき、ベルジェはファッションでなく美術関係の仕事をしていたそうですが、もともとは文学を志していた人だそうで、「死者への手紙」という体裁のこの独白的エッセイは、ヴォードヴィル賞という文学賞を受賞したそうです。なんというか、納得。読んでいると、感触はまぎれもなく「文学」です。薄い本で、文字も余白も大きい。でもサラッと読めはしない本。ゆっくりと意味を咀嚼して、味わうための本。秋にじっくりと読むにはうってつけで、映画等で予習してから読むもよし、本の行間から二人の関係を推し量るもよし、です。

 

明日、バビロン通りの家を友人たちに見せに行く。
よきにつけあしきにつけ多くの思い出がぶつかり合っている。
そこだ、私たちが幸せだったのは。
そこだ、私たちが不幸だったのは。
そこだ、アルコールとコカインでいっぱいの君が、

このギリシャの頭像で私を殺しそうになったのは――。

私はかろうじてそれを避けたが。
そこだ、耐えがたい年月が始まったのは。
 (p.25-26)

 

書簡集をたくさん読んでいるわけではないのですが、好きな書簡集がひとつあります。奇しくも同じフランス人のジャン・コクトーが、終生のパートナーであった俳優ジャン・マレーに書いた手紙を集めたものです。同性愛者がパートナーに宛てて書いた「手紙」で、返信は含まれていないという意味でも2冊は共通項があります。両方とも、途中で別々に暮らすようになり、それでも終生濃い絆で結ばれていた方たちです。

 

今回のベルジェの文章は、読んでみると手紙というより散文詩のようで、やはりコクトーのものを思い出してしまいました。が、フランス人がみんなこんな手紙を書くわけではありますまい。ベルジェはコクトーとも親交があったそうで、本の中にも名前が出てきます。(「コクトーはなんて正しかったのだろう。布とタオルを混同しないようにしよう」)この感触の近さは、同じフランス人でカルチャーとしても同時代の近いところにいた人達であるせいなのか、どうなのか。…まあ理屈を見つけることは専門家に任せて、ただ味わうことにしました。これは素人の特権です。(笑)

 

ある日、君の強い願望は悪魔と戯れることだとわかった。

私は君にとってバランスが取れすぎ、いわば堅すぎ、

そのために私は君を救うことかができなかったのだよ。(p.58)

 

この文章のある種のたどたどしさは、原文の味なのかもしれません。訳者のあとがきによると、個性的な文体をなるべく残そうとなさったそうです。「なのだ」と「…よね」がまぜこぜに出てくる形式的なことは別にして、書かれている内容の「なめらかな散文」にならない、感覚にいちいちひっかかる感じは好きです。なめらかすぎる散文は、時々ただのクリシェの連続にすぎないこともあるので。この文章はそうではないです。リアルな感情を記そうとするとそうなりますよね。コクトーのほうが実生活についての記述が多いのは、生きている相手に書いているからでしょう。

 

ベルジェの思索がまた興味深いです。我田引水ですが、以下のものなど、JUNEについて思うこととまさに重なります。

 

官能性、肉体、性とは何なのだろうか? この的を得た文

「いわゆるセックスと呼ぶことを民主化することにより、

人はまちがいなく官能的豊かさへの道を閉じたのである」

官能的豊かさという見解が私はとても好きだ。

体をエロスから切り離すこの見解を私は気に入っている。(p.79)

 

驚いたのは、ベルジェがサンローランに出会う前、画家のベルナール・ビュッフェと暮らしていたと書いていることです。絵画には詳しくないですが、ビュッフェは夢中になったことがある数少ない画家です。私が学生時代に見たのはたぶんデパートの美術展で、そのころよく催されていた印象があります。太くて荒々しく見える黒い輪郭線と、モノトーンの、特に風景画が印象的でした。たしか複製画を買って飾ったような……。(うろ覚えなので間違っていたらすみません)でも若い頃男性と暮らしていたとは知りませんでした。ベルジェははっきりそういうニュアンスで書いているので、単にルームシェアしていたわけではないでしょう。ウィキペディアのビュッフェの項を見ましたが、まったくその頃のことは出ていません。ビュッフェが結婚したのは1958年。ベルジェがサンローランと出会ったのがやはり58年です。

 

同性愛者であることについて、ベルジェは「一度として隠しもせず、見せびらかしもしなかった」としていますが、18歳で故郷を離れてパリに出るときに母親にもらったという手紙から、じつに印象的な引用があります。手紙自体はなくしてしまったけれど忘れたことはなかった、と記しています。

 

「今度はあなたの同性愛のことを話したい。

私にショックをあたえることは何もないし、

私が何よりもあなたが幸せでいることを望んでいるのを知っているでしょう。

でもあなたの交際が心配だし、

それにもしもあなたがスノビズムや出世欲からゲイになったのなら、

私が認めないことも知っておきなさい」(p.133)

 

 

ベルジェとサンローランの関係はとても苦渋に満ち、複雑なものでもあったようですが、やはりこれらは「恋文」だと思いました。なんというか、人と人の関係というのはそういうものなんだなあ、と感じます。また、死んでしまった人、生きていてもけっして会うことのない人は、逆説的に、思いを捧げるには完璧な対象になりますね。サンローランの生前には、やはりこういう文章は書かれ得なかったでしょう。悲しくはあるけれど、すべてが終わったからこその静かな境地があります。文学になり得ている一つの要素は、こういったところから匂い立つものでもあります。以下の二つは、二人が集めた美術品の展示・オークションに当たっての言葉です。単純だけどすごく印象に残りました。

 

このすべては君なしではなんの意味もないのだよ。

 

私たちの暮らしは展示され、しかも売られる。(共に p.55)

 

最後に、サンローランに対して、二人がやってきたことに対しての言葉を引用します。

 

不可能なことは何もないと、

奇跡を信じなければいけないと、

そしてまず危険を考える人には耳を傾けないようにと、

私が言い続けていた人。

私たちは危険を無視したから実現できたのだ。

この上もなく常軌を逸したこうした夢を。

なぜならば私たちは正気ではなかったからだ、まさしく。(p.178)

 

私のようにお二人になじみのない方は、やはり映画から入るほうがイメージしやすいしれません。伝記映画二本は、いずれもサンローラン役は絶世の美男俳優が演じています。(『サンローラン』では若い頃を『ハンニバル・ライジング』のギャスパー・ウリエル、晩年をかつて伝説の美男俳優であったヘルムート・バーガー(むしろこちらの今の姿に感慨が)、『イヴ・サンローラン』では、この作品でブレイクした新星ピエール・ニネピエール・ベルジェ役に関しては、どちらの映画と較べてもご本人のほうがハンサムだと思います(笑)。好きな昔のフランス人俳優でフランソワ・ペリエという人がいるんですが――コクトー映画の『オルフェ』で演じた死神の運転手がとても好きなのです――彼をさらに洗練させた感じです。特に若い頃の写真はとてもハンサムで、そのうえ芸術に造詣が深く、自分に足りない性質を補うように持っているこの人物に、21歳のサンローランが惹きつけられたのはなんとも運命的な気がします。というか、その後の二人の生きざまが、遡ってこの出会いを運命的なものにしているんでしょうね。

 

伝記映画以外にドキュメンタリーもあるそうで、そちらも見てみたいと思っています。

0 コメント

風呂敷ブックカバー+読み放題御礼

風呂敷ブックカバー

 

昨日の朝刊に風呂敷の利用法があれこれ載ってまして、その一つがブックカバーでした。これはナイスアイディーア♪ 50センチ四方の綿のものをハードカバーに使うのがおすすめ、とのことだったので、「持ち腐れている鳥獣戯画のふろしきを生かすのは今だ…!」とばかりに試してみました。

 

参考にした記事はこちらです。

 朝日新聞:(くらしの扉)ふろしき、出番たくさん 旅行に災害時に、工夫次第

 

ちょうど図書館で借りたハードカバーで、大きくてちょっとこっぱずかしい(?)資料を読んでまして、以前書店でもらった紙のブックカバーを使い回してたのですが、使い回しすぎて傷んできてたので渡りに船♪

 

…で、カバーをかけた状態がこちら。

 

最初は普通の紙のブックカバーみたいに折り返した端を内側にしてみたのですが、端と端が重なってごわついてしまいました。やはり記事に載っている通りに、端を外側に出してポケットにするほうが見た目にも美しいです。使い心地はまだわかりませんが、気に入ってる柄でカバーができただけでも持ち歩きたくなりますね。(笑)けっこう気に入りました。

 

やってみれば「なんだこれだけのこと」なんですが、なかなか思いつかないものです。(思いついても自分のアイデアだと自信がなくて実行しなかったりもする(笑))ミニサイズふろしきってミュージアムショップで記念に買うこととかありますけど、買うときは絵柄で選びますよね。そのわりに目にできる形で使う機会はなかなかないので、これはいいアイデアだな、と思いました。バンダナもサイズはほぼ同じなので、柄が好きで買ったものでいろいろ応用できますね。

 

 

読み放題御礼

 

kindle Unlimitedが始まって一カ月余り。夏休みは終わりましたが、引き続き読み放題でぱらぱらとご利用いただいていて、普通のご購入も変わらぬペースでお読みいただけております。ありがとうございます。もともとDL数は少ないので、本来売上だったものが読み放題に移ったというより、このシステムのおかげで新しいご縁ができた、という感じですね。零細個人出版にとってはとてもありがたいてす。

 

読んでくださってる方々はやはり日本ストア中心ですが、先日はイギリスストアでイアン・ワージングシリーズの一冊目、分冊版上巻をお読みいただけました。ちょっと珍しいことなので記念に画面保存しました。現代のイギリスが舞台のお話を現地の方に読んでいただくのはちょっと冷や汗ものですが、引き続き続刊も楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

記念保存画像から。

一時的に「日本語-ロマンス」と「日本語-ファンタジー、ホラー&SF」で1位、
全言語ひっくるめたゲイ&レズビアンの「ロマンス-ゲイ」で757位になっていました。
(マイルドBLですがレイラインとか出てくるので、いちおう超常現象系にも入れていただいてます~)


「イギリスストアでの日本語BL」てえらく狭い世界ですが、ご同好は地球の裏側にもいる、We are not alone! …でございます。 ということで針小棒大にヨロコビます! …次の長編用の準備で四苦八苦しているところだったので、真面目にとても励みになりました。ありがとうございます!m(_ _)m

0 コメント

創作について(テッド・チャンさんインタビューから)

今日はちょっと趣向を変えて、一足早い読書の秋っぽく(?)、SF作家テッド・チャンさんのインタビュー(の一部)を拙訳でご紹介したいと思います。リアルタイムでは唯一好きな作家さんで、同人サイトにこそっと情報置き場も作っているのですが、今回インタビューのこの部分が「兼業で創作をしている方・書くのが遅い方」(自分は両方当てはまります(^^;))にとても参考になる内容だと感じたので、こちらでご紹介することにしました。このサイトで言及するのは初めてだと思うので、プロフィールなど少し。(お詳しい方は飛ばしてくださいね)

 

テッド・チャン氏は中国系アメリカ人(中国語はできないとのこと)で1967年生まれ。寡作な作家さんで作品も短編ばかり。邦訳書は短編集『あなたの人生の物語』だけ(他は数作がSFマガジンやアンソロジーに掲載)ですが、作品は揃って珠玉で受賞歴も華々しいものです。SFというジャンル(そして数学や物理学)を愛し、こだわりを持って書いている方ですが、作品は「いわゆるSF」というより、広い意味での「美しさ」が魅力だと感じます。(自分は特化したSF読みではまったくありませんし、理系でもないことを付け加えておきます)

 

その作品テイストが好きなのはもちろんですが、地に足の着いた活動や、インタビューやレクチャー等から垣間見えるものの捉え方や審美眼、穏やかな物腰からは想像がつかない芯の強さ、創作の姿勢(テクニカル・ライターとして仕事を続けながら作品を書いておられて、ご本人いわく「occasional writer (日曜作家)」)などを含めてとても尊敬しています。

…じつは年齢は同じなのですが、ずーっと年上のように感じます。これは予備知識ゼロで初めて作品を読んだ時にも感じたことで、当初は「女性が男性の名前で書いているのでは?」という印象もありました。女性キャラがリアルに感じられたからです。(男性作家の作品でそう感じたことはあまりなくて、自分が読んだ中でそう思ったのは、「リアル」の方向が違いますがE. M. フォースターくらいです)

 

作家としてはSNSや公式サイトなどネットでのご活動がなく、最新情報は自分で探すしかありません。(涙)でも最近、短編集表題作の『あなたの人生の物語』が映画化され、アメリカでは今年11月に公開予定になっています。映画版のタイトルは "Arrival"。ご本人の反応は淡泊なようですが、映画はアカデミー賞狙いの時期の公開で、配給側の期待がうかがえます。前評判も良いようです。これからはチャンさんの情報も楽に手に入るようになるかもしれません。

 

前置きが長くなりました。ご紹介するのは、少し前にネット公開された長いインタビューのほんの一部です。創作に関して話されている数箇所から訳したものを、間に区切りをはさんで載せています。(このインタビューでの映画化作品に関する言及部分は、前述の情報コーナーでご紹介しています。ご興味をお持ちの方は文末のリンクからどうぞ)

 

インタビュアーは十年来のご友人でご自身もライター/エディターのミーガン・マッキャロンさん。文中の「M」はマッキャロンさん、「C」はチャンさんです。

 

 ※以下はファンが思い余って勝手に訳しているもので、記事の著作権は下記リンク先のサイト様所有です。

問題が生じましたらその時点で削除させていただきます。m(_ _)m

(I don't own the rights to this interview. All rights belong to the website below.
Just as a fan, I translated a part of this interview into Japanese personally.)

  

インタビュー原文ページ
The Legendary Ted Chiang on Seeing His Stories Adapted and the Ever-Expanding Popularity of SF

 


 

 

M: あなたのライティング・プロセスはすごく独特で、(少なくとも外から見ると)すごくシステマティックだと思う。あなたは一年のうちある部分はフリーランスのテクニカル・ライティングに、別の部分は短編に費やしてる。あなたがリサーチを大量にするほうで、いつもストーリーのエンディングを最初に書くことは知ってる。構成や改稿のプロセスはどうしてる? あなたがテクニカル・ライティングをするときとはだいぶ違うもの?

 

C: たいていうまくいくのは、頭のなかで長いこと転がしていたアイデアがあるとき。たとえば、誰もがライフログを記録している世界というアイデアだ。そういう世界であり得る、違う物語をいくつか考える。普通僕はたくさんのスタート地点を考えつくんだけど、それがどうなるかがわからない。エンディングを思いついたときにだけ、実際に書き出すことができるんだ。頭の中でゴール地点をわかっている必要があるんだよ。ストーリー全体を詳細にわたって思い描いてるわけじゃないけど、なにが必然的に起きるかっていうおおまかな感覚がある。時には、それまで進めようがないと思ってた別のスタート地点から構成要素を借りることもある。いつもではないけどね。それからもちろん、ストーリーを実際に書き出す過程でいろんなものが変化していく。

 僕にとっては、テクニカル・ライティングはフィクション・ライティングとはかなり違う。唯一の共通点は、自分の脳の文章を作る部分を使うってことだけだ。テクニカル・ライティングが自分のフィクションに直接影響を与えてきたかどうかはわからない。でも、僕がテクニカル・ライティングに引きつけられる元になった衝動は、僕のフィクションの根底にもある。それはアイデアを明確に説明したいっていう欲求だ。すぐれた説明にはなんらかの美しさがあると思う。読んでわかりやすいだけじゃなくて、快いものにもなり得るんだ。

 

M: それに関連したことだけど、あなたはよく草稿をノースカロライナでやってるシカモアヒル・ワークショップ(リチャード・バトナー主催の同業者のワークショップ。インタビュアーのマッキャロンさんも参加している)に持ってくるわよね。ワークショップはあなたのライティング・プロセスや、もっと広い意味の執筆生活でどんな役割を果たしてる?

 

C: 僕は、ストーリーを出版用に提出する前にフィードバックをもらうのが好きなんだ。シカモアヒルでは、たくさんの洗練された読み手からのフィードバックを一度に得ることができる。そしてもちろん、一週間をほかのライターたちと話す以外なにもしないで過ごすのは最高だよ。でも、ほかの多くのライターと違って、僕はワークショップがなにかを仕上げるまでのデッドラインを与えてくれて、それが自分を奮い立たせるのに役立つとは思ってない。ワークショップに持って行くためにストーリーを仕上げるのを急かされると、締め切りに合わせるために、ストーリーのためにはよくない判断をしてしまう。そしてその失敗を修正するために、よけいに時間がかかるはめになるんだ。だから、今では時々ワークショップの誘いを断ることがある。それであまりにライティング・プロセスを急ぐことを強いられると思う時にはね。

 

*      *      *

 

M: あなたのストーリーのなかで、あなたが関心を持ってる問題を抱える、あるいはその問題のさなかにいるキャラクターを想像するとき、どんなふうに始めてる? あなたは深刻な、一見解決不可能に見える人間の問題(ヒューマン・クエスチョン)と、それに立ち向かうのにぴったりな立場に置かれた人物を組み合わせることを、驚くほど巧みにやってのけてる。

 

C: 説明できるような特定のやり方は持ってないよ。だけど君の質問を聞いて、評論家のジョン・クルートから聞いた考え方を思い出した。ある種の出来事の連なりをもったアイデアは簡単に物語にすることができる、それはストーリーとして語られるのに適しているってことで、他のものはそうではない、というんだ。彼が気候変動を物語にしにくいトピックとして挙げたとき、彼と話したことがあった。僕は同意しそうになったけど、ふと思ったんだ。誰かが実際に書くまで、物語に向くとは思えないアイデアはたくさんある。グレッグ・イーガンの "Luminous" (邦題『ルミナス』。『ひとりっ子』山岸真・訳 ハヤカワ文庫 所収)という話がある。そのなかでは、数学の無矛盾性(「真」でかつ「偽」である命題はありえないこと)が、主人公が暗殺者から逃れる重要な決め手になる。同様に、ライターとして僕が興味を引かれることの一つは、哲学的な問題を物語にする方法を見つけることだと思ってる。

 

*      *      *

 

M: あなたのどのインタビューでも、インタビュアーはどこかしらで、あなたが特に多作なわけじゃないと指摘する。それが暗に語るのは、あなたがライターとして桁外れに粘り強いってことだと私には思える。ハイスクールの頃から作品を投稿し続けて、何年も不採用の時代を戦い抜いて、そのあとは成功の衝撃と格闘した。それから、あなたが書くことを「ハード」だと表現していることも知ってる。どうやって書くことを続けているの? あなたから遅筆な人たちへのアドバイスは何?

 

C: アニー・ディラードの "The Writing Life" (邦訳書:『本を書く』柳沢由美子・訳 パピルス)にこんなくだりがある。彼女が隣人に、書くことは嫌いだ、ほかのことならなんでもやるのに、と話すんだ。するとその隣人は、「工場で毎日働いて、それを嫌ってる奴みたいだね」と言う。書くことは僕にとってとても難しくて、自分は実際のところ向いてるのかどうか、と思うことがよくある。それから、出版業界でのいくつかの経験から、何年も書くことをやめていたこともある。だけどいつも戻ってきた。それはたぶん、書くということが、自分という人間の本質的な部分だからだと思う。書くのが遅いライターへのアドバイスということで言えば、書くことはレースじゃないと思う。もっとも多作な作家たちだけが読者を得る、というものじゃない。だから、準備ができたときに君のストーリーを出版するといい。そうすれば、作品が読者を見つけだすよ。

 


 

関連リンク

 

 

 

テッド・チャン情報メモ
(SUSSANRAP 同人サークルサイト内)

 

『完全主義者』テッド・チャンさんインタビュー(リンクと拙訳)
(牛乃の個人ブログで別のインタビューをご紹介したときの記事です)

 

 

“And in that way I live again, through you.”

(そうして私はふたたび生きる。あなたを通して)

2010年のSF大会で展示させていただいた、チャンさんの"Exhalation"の一節をイメージした生け花のプロトタイプ写真から。(部分・加工画像)

 

0 コメント

kindle本読み放題日本でもスタート

噂のあった「月額980円読み放題」Kindle Unlimited、昨日からアマゾンで始まりました。

現在30日間無料体験が実施されています。SUSSANRAPの本はすべて対象ですので、ぜひご利用ください。kindle無料アプリでもご利用いただけます。

 

Kindle Unlimited 読み放題

 

FAQ

 

じつは次作の準備のためネットを覗く時間を減らしていたため、知ったのは昨日の朝刊でいきなりでした。なんとなく8/6頃かな?と思っていたのでびっくりしました。(笑)朝日新聞の記事によると、

 

・一度に保存できるのは10冊まで

・読み終わるなど利用終了分でまたあらたにダウンロードできる

 

とのことです。特に期限はないようですね。以前からあったプライム会員様向けのキンドル・オーナーズ・ライブラリーが月1冊レンタル無料(こちらも期限はなしで、読み終われば翌月別の本をダウンロードできる)ですから、その枠がより広いサービスということになりますね。

 

海外ストアではすでにあったサービスで、うちの場合、特に欧米のストアではこれを使って読んでいただく比率が高くなっています。レンタルと同様に、販売時よりは低いですが、読んで頂いた分量に応じた支払いがアマゾンからあります。うちでは金額はまだ微々たるものですが、無名著者としては気軽に読んでいただく機会が広がるわけです。日本でもうちの本がご趣味に合う読み手さんとの新たな出会いがあれば、と期待しています。登録された方はぜひお試しくださいませ。

0 コメント

『交霊航路』連載完結+秋に向けて準備中

3月からほぼ週イチペースで連載してまいりました『交霊航路:僕と彼女とドイル文書は永遠に』、先週カーテンコール(?)のキャラクターたちの画像を掲載して、すべて公開完了となりました。連載ペースにつきあってくださった方も、まとめて読んでくださってる方もありがとうございます。もともと昔の同人誌で完結していた長いものを改稿・分割したので、末尾にクリフハンガーが用意できない回があったり、切れ目のタイミングで長さもまちまちだったりしました。なので、完結した今まとめて読んでいただくほうが物語に入りやすいかもしれません。少しでもお楽しみいただけていたら嬉しいです。

 

この作品は、メインの表現形態を漫画から小説に移行してから、オリジナル系で初めて書いた長い小説でした。もう10年ほど前になります。コミティアに分厚いコピー誌を持って行ったとき、「見本誌コーナーで冒頭読んだら面白そうだったから」と買いに来てくださった方がいらした思い出から、その後もずっと勇気を頂いています。その後ご感想を下さった方々にも、改めてお礼を申し上げます。

 

 

同人誌では、初見の方との「共通知識」になるものがないと、なかなか手に取っていただくことができません。パロディ・二次創作や、オリジナルでもジャンルやカテゴリー(「ハッピーエンド」などネタバレとも思えるものも含めて)を細かく提示できる作品が主流になっているのはそのためだと思います。この作品の前に『追憶のシャーロック・ホームズ』をなんとか書き上げていたので、当時長い小説を書くこと自体には不安はありませんでした。そこから一歩オリジナル方向に踏み出したい、という思いと、しかしまったくのオリジナルではまずお手に取っていただけないだろう、という予想から、コナン・ドイルやホームズなども一部で取り込みながら、物語としてはオリジナルという物語を作りました。

 内容はご欄の通りで、「オリジナル色の強いバスティーシュの一種」とか、「オマージュ」という表現は一一部当てはまると思いますが、パロディや二次創作ではなく、パクリでもありません。でも決して「人寄せパンダ」的にドイル先生等を担ぎ出したわけではなく、出ているいっさいの既成キャラクター・歴史上の人物を「聞いたことはある程度」という方に楽しんでいただけるように、という意識で書きました。いわば出ている既成イメージは「有名人」「有名キャラクターとその作者」「女性科学者」などに一般化できる記号で、同人誌としてはそこが「初見の方との共通知識」の部分になりますが、オリジナル作品としては、それぞれを熟知している方だけを想定した書き方はしなかったつもりです。(とはいえ、ここはわかりにくいとか、逆に説明がくどい、とお感じになった方がおられるかもしれません。そういったご感想もぜひお聞かせください!)

 

しかしこの「初見の方との共通知識」部分は諸刃の刃で、ある固有名詞を知らない方がそれをご覧になったとき、「自分にはわからない内容であるはずだ」という印象をお持ちになる可能性もあるわけです。コーヒーカップは誰でも知っているけど、コナン・ドイルは特定の人しか知らない、というような。それでも、こういうアプローチは商業作品でも昨今ますます増えているので、今のほうが抵抗は少ないと思います。読書は作品と読み手の間のきわめてパーソナルな交流であり、他の読み手との間で予備知識を競うものではまったくないと思います。『高慢と偏見とゾンビ』を読んでから『高慢と偏見』に興味が出るとか、ドラマの『SHERLOCK』を見て原作を初めて読む、というような楽しみ方はまったく正常だと思うのです。(ちなみに『高慢と偏見』は映画しか見ていませんし、『…ゾンビ』は未読です(笑))

 

掲載を始めたときのブログで、大きなイメージソースである『十二夜』と『すべての道はローマへ』をご紹介しましたが、その後投稿のための改稿時や、今回ウェブに上げるにあたっても手をいれたので、初版に比べるとディテールはより多く、より細かくなっていると思います。ウェブ連載の場合、以前出てきたものの再登場でも時間があいているので、そのへんの言葉を足す作業もしました。公開する形態によって「読みやすさ」が変わる、というのもいろいろ勉強になりました。まだまだそのへんも勉強中ですので、なにかお気づきの点などありましたら、ぜひこそっとお聞かせ下さいませ。

 

…時代性別実在架空か、といった区別を超えたつながりを楽しく描けたらと思って書いた物語でした。量子に絡めたイメージは初版執筆当時に調べたいろんなものから影響を受けていますが、特定の仮説を下敷きにしたものではありません。でも現在NHKのEテレでやっているドキュメンタリーシリーズ、『モーガン・フリーマン 時空を超えて』の死後の世界を扱った回でも量子と絡めた説は出てきたので、そう荒唐無稽なイメージではないかな? と思っています。

(※コナン・ドイルは実人生で心霊主義を研究していましたが、この作品で提示している「死後の世界観」は筆者が自由にイメージしたもので、ドイルが研究していた「心霊主義」でのイメージとは異なります。パスティーシュ的な方向では「史実」を取り込むことが期待されると思うので、ここはご了承下さい。いわゆるアカシック・レコード的なものともちょっと違い、情報は蓄積しないイメージを作りました)

 

今後kindleなどにまとめるかどうかは今のところ未定なのですが、しばらくこのまま公開しておこうと思います。SF的な側面からでも、パスティーシュ的な側面からでも、のんびりと楽しんでいただけたら幸いです。

 

本編はこちらからどうぞ。

交霊航路:僕と彼女とドイル文書は永遠に

 

*      *      *

 

コミケに落ちたので、現在は秋に向けてイアン・ワージングシリーズの新作の準備をしています。本当はもう初稿が完成しているはずの時期なのですが、常の通り予定通りには進んでいません。(^^;)10月のJ.GARDENに間に合わなかったら、次点でコミケ(抽選で当たればですが)での発行を考えているので、気を緩めずに進めようと思います。完成すれば、その後kindle化もするつもりです。順番はどちらが先になるかわかりませんが……。

 

今は材料が増えているところで、一方で事前に用意していた資料の多くは使わないことになったり、まだ地殻変動レベルで物語が動いています。主人公は自然に動くようになってくれているので、できるだけその邪魔をせず、自然に読める形にしたいと思っています。完成した暁には、既刊含めてどうぞよろしくお願いします。

 

 

0 コメント

無料配信終了御礼+歌丸師匠笑点司会卒業+ドイルせんせお誕生日など

新刊ギャザリング・ストーム: さむがり男子イアン・ワージングのゴースト修行 、紆余曲折がございましたが、新着マークのついた状態で無料キャンペーンをすることができました。おかげさまで無料ランキング1位になりました。(感涙)もともと無料本が少ないジャンルではありますが、やはり嬉しかったです。ダウンロードしてくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。楽しんでいただけますよう祈っております。ご感想もお待ちしております!(一言でも泣いてヨロコビます!)


 

今後ともシリーズをよろしくお願いします♪

   

今日はそれ以外にもタイトルどおりいろんなことがあった日でした。まずは歌丸師匠最後の笑点大喜利司会。じつはほぼ毎週見ている笑点ファン、というか歌丸ファンでして。(^^;)生放送をまじえた一時間半の拡大版、リアルタイムで涙流して大笑いしながら拝見しました。不思議と寂しいという感じはなかったです。最後の答えがあれとは粋じゃーありませんか!腐女子の生きやすい世の中になってまいりました!

 

(ご覧になってない方のために少し書かせていただきます。最後の問題が、歌丸師匠に何かを言って、師匠が「●●さん、ありがとう!」と答えたあとに何か続けてオチをつける、というものでした。で、三遊亭小遊三師匠の答えが(記憶で書いてるので細部が違うかもしれませんが)

 

小遊三「歌丸師匠にお疲れ様です。湖畔の宿をお取りしました」

歌丸「小遊三さん、ありがとう」

小遊三「これが最後です。抱いてください」

 

…だったんです。文字で書くとなんてことないですが、これが小遊三師匠の口から出るともう爆笑で。ふだんからシモネタ多い小遊三師匠ですが、腐ネタで締めくくって下さるとは!歌丸師匠は気持ち悪いと言って全員の座布団すべて没収、めでたく幕となりました。(笑)新司会は春風亭昇太師匠とのことで、メンバーのなかではお若いのですが不思議と違和感ありませんでした。これからも楽しみたいです♪

 

そしてそして、今日は誰あろう、サー・アーサー・コナン・ドイルのお誕生日でした!ホームズが好きでご本人も好きで、あつかましいことに連載小説にもお出まし願うという身の上、もうこの方がいなかったら人生まったく変わってます。それだけは確かです。加えて昨日がSHERLOCK制作・脚本・マイクロフト役のマーク・ゲイティス氏のお父様のお誕生日だったということなので、自分の無料配信記念も兼ね、いろいろまとめてお祝いしてまいりました!

 

近所のカフェのケーキセットでお祝い。お店の照明こんななので、たそがれ色で失礼します。

 

ほんとはおめでたい紅白の配色のイチゴのショートケーキが食べたかったんですが、近所ではケーキセットでショートケーキをいただけるお店がないことが判明。ショックでした……で、代理はフルーツロールケーキです。味はイマイチでしたが(まあセルフサービスの廉価チェーン店で贅沢は言うまい(^^;))、持っていったkindleを何気なくオンラインにしてみたら、なんとFREE SPOTが設置されてることを発見!現在必要がなくてwi-fiの契約はしていないので、kindleでどうしてもWi-fiが必要なときは無料スポットに行ってたんです。ずっと利用させてもらっていた横浜駅の喫茶店が閉店してしまい、新しく探さなきゃと思っていたところでした。今回のここは電車賃もかからないし、とても助かる!おかげでずっと後回しにしていたWord wise機能(洋書で英語の難しい単語に英文の書き下しを表示できる)のダウンロードをすることができました。ちょっと嬉しい驚きでした。これから行く頻度が増えそうです。

 

全体としてとってもいい日曜日でした。毎日こうならいいのに。(笑)

 

0 コメント

新刊無料配信 5/20(金)-5/22(日)予定です

新刊ギャザリング・ストーム: さむがり男子イアン・ワージングのゴースト修行 13日の金曜日の呪い(?)のおかげか(^^;)シャレにならない災難が続きました…。

 

・日本語ストアの商品ページだけができない

・サンプルをアップしたあと、お知らせツイートをしたら「同時に」地震発生(茨城県震源・地元は震度3)

 

ともあれ、延期しておりました無料配信、今週末に実施のめどがつきました。どうぞよろしくお願いします。

 

無料配信予定

2015/5/20(金)夕方5時頃~5/22(日)夕方5時頃

 

 

時間はシステムの状態で遅れたりするので、ポチっとする前に価格欄をチラリとご確認くださいませ。毎度のお知らせですが、kindleをお持ちでない方はkindle無料アプリでお読みいただけますので、よかったらこちらをご利用下さいませ。

 

kindle無料アプリ

 

イアンさんは「なにかと不遇なインテリくずれ」がキャッチフレーズなので、災難続きもふさわしいかもしれません。(^^;)この分では当日も何か起こるのではと心配ですが、何か起こったらネタにします…。

 

サイト内でも内容のご紹介やお試し読みページを公開しました。(お試し読みはkindleの無料サンプルより長くなっております)よかったらこちらもぜひご覧下さい。

 

ギャザリング・ストーム
(ご紹介ページ・お試し読みリンクつき)

 

 

下記ではシリーズ全体のご紹介をしております。

 

イアン・ワージング シリーズ

 

 

 

さて、加えてもうひとつ、こちらはパーソナルな配信ですが、サイトのお土産コーナーを作り、フリーブック配信を始めました。

 

無料ダウンロード

 

正確には同人サークルサイトのほうで始めたフリーブックページへのリンクなので、偏った方向け(?)ではありますが、他のkindle本と同様、kindleやkindle無料アプリでお読みいただけるmobi形式での配信ですので、お気が向いたらついでにぜひご覧くださいませ。


0 コメント

13日の金曜日の呪い?(^^;)アマゾン無料配信延期+サイトからの無料配信のお知らせ

この週末13日から予定していたAmazon kindle新刊『ギャザリング・ストーム:さむがり男子イアン・ワージング』の無料配信キャンペーンですが、なぜか日本語ストアの商品ページだけができない(他の海外ストアではできています!(^^;))というトラブルに見舞われ、すぐに解消すると思っていたのですが、これを書いている5/12の朝の時点で解決しておりません。Amazonに問い合わせておりますが、確実に実行できるか不安なので、無料配信を延期することに致しました。大変申し訳ありません。書いている今にも解消されるかもしれないのがくやしいのですが(^^;)、新たな予定が固まり次第、またお知らせさせて頂きます。

 

それとは別に、サークルサイトからのフリーブック(無料電子書籍)配信を開始します。

こちらはkindle本をご購読いただいている皆様へのささやかなサービス(?)ということで、過去の同人誌コンテンツの電子版です。kindleやkindle無料アプリでお読みいただくものになります。同人コンテンツなので、AmazonではなくSUSSANRAPの同人サークルサイトからのお土産配信サービスとなります。同人コンテンツという性質上、少しマニアックな内容ですが、もしご趣味に合うようでしたらぜひ落としてやってください。

 

初回はSHERLOCK二次小説で、

・36時間のサファリ

の配信を予定しています。2012年にブログ連載した小説の総集編で、シーズン2後のジョンを主人公にしたシリアスノンケJUNE(?)です。実験的な作品ですが、ご好評を頂いております。(ご感想を下さった皆様、ありがとうございます!)

 

配信ページは現在準備中で、今週末の土~日頃からオープンする予定です。開始時にはこちらのサイトでもお知らせ致しますので、ぜひご利用下さい。

 

0 コメント

13日の金曜日から新刊無料配信予定

遅れていました新刊『ギャザリング・ストーム:さむがり男子イアン・ワージングのゴースト修行』、本日ようやくkindleにアップいたしました。(表紙の色を少し変えました)以下の通り無料配信を行う予定です。

 

5/13(金・夕方5時頃)~5/15(日・夕方5時頃)

 

ただいま、なぜか日本ストアの商品ページだけができないという珍しい災難に直面しております。こんなこと初めてです!(^^;)

13日の金曜日に無料開始日を設定した効果でしょうか。(笑)

 

…そんなわけで今ここでページをご紹介することができないのですが、問い合わせておりますので、たぶん13日には間に合うと思います。また改めてお知らせさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

0 コメント